新田次郎著『八甲田山死の彷徨』と映画「八甲田山」は旅団長室での会議場面から始まる。

 そこで何となく八甲田雪中行軍が決まる。

 

 以前にもこのブログで書いているが、この参集メンバーは通常ありえない。

 ただフィクションにおいてはその設定は作者の自由。

 

 実際に、作者は八甲田雪中行軍はどんな経緯で実施されたと考えていたのか?

 

 新田次郎は『私の創作ノート』(読売新聞社)でこう書いている。

八甲田山の悲劇の取材をしている間につくづく感じたことは、二つの聯隊に雪中登山を競争をさせた当時の第八師団の首脳部の思慮の浅はかさであった

 

 橋本忍は自著『映画「八甲田山」の世界』でこう書いている。

雪の八甲田山踏破は……弘前第八師団は所属する五聯隊と三十一聯隊の二つの聯隊にこれを命じた

 

 つまり、作者も「師団命令で八甲田雪中行軍が実施された」と認識しており、その前提条件により小説や映画が作られたのだった。

 

 これを視点の一つとして、『八甲田山 消された真実』を読んでいただければと思っています。