ブッちゃん 11 | ミータの愛猫物語(連載)

ミータの愛猫物語(連載)

愛するにゃんこ達との悲喜こもごもを綴ります。

 新しい家での生活が始まった。

ブチには2回目の引っ越し。前回の引っ越しの時はミータと

一緒だったし、とても若かったから大きなストレスには

ならなかったと思うが、今回は高齢だったので気になった。

 家で唯一の雄猫のダイは、日頃からよく外に出ていた。

夫が

「絶対に外に出したらいかん。出て行ったら帰ってこられんぞ」

と言ったが、ダイは家に閉じ込められることに慣れていなくて、

鳴き続けた。

 片づけをしながら5匹の猫を気にして、人間も猫もお疲れ

気味。数日後にやっとダイを試験的に外に出したが、ちゃんと

帰ってきた。

 ブチはおりこうで、何も問題を起こさなかったので、ついつい

気遣ってやることがおろそかになりがちになった。

 ある日、ブチがテーブルの脚に頭をゴン!とぶつけているのが

目にはいった。それまでも、ブッちゃん少し視力が悪くなった

かなと思うことはあったのだが、ぶつかる寸前で回避できていた。

 「ブッちゃん目が大分見えなくなったみたいやね」

 「うん・・」

夫も気づいていたようだ。

猫は、家が変わることが嫌いな動物であるということは知って

いた。何事もないように見えてはいても、引っ越しはブチに

とっては間違いなく大きなストレスだったのだ。

 『ブッちゃん、ごめん‥』