私は、家庭教師をはじめて、10年以上たちますが、
親御さんの年齢、
親御さんを取り巻く社会、
そしてお子さんの状況を
えらくミクロに見てきました。
でも、その共通点を挙げてみると、
ちょっとマクロになりそうな気がしますので、
まとめてみます。

私がこの仕事を始めたころは、いわゆる団塊の世代の
終わりごろの年代の親御さんが多かったように思います。
「近代家族」のモデルにのっかった、
核家族の境界線がきっちり引かれた中で、
仕事をする人と家庭を守る人の役割分担がなされ、
家庭を守る担当の親御さんはお子さんの教育を
一手に引き受け、
親御さんの目がお子さんにまっすぐに向かい、
家族のそれぞれのメンバーは愛し合っていて当然である、という。
そして、高度成長によって家族が地域からも親族からも切り離されて、
お子さんの教育にかかわる親御さんは
一人でお子さんの人生にかかわらなければならない。
でも、
まだ、お子さんの教育にかかわる親御さんは
お金を稼いでくることを強制されていなかったので、
私と二人三脚をすることのできるかたも多かったように思います。

そして、バブル期を終えてから親御さんになった
世代の方が多くなってきます。
この世代の方の作る家族は、
いわゆる「近代家族」でありながら、
親御さんがお二方とも家の境界線を行き来するようになります。
でも、お子さんだけを家のなかにおいておくことは出来ないので
私をお子さんと家においておく。
その場合は私が全権を委任されます。
もしくは親御さんがお子さんを家から連れ出します。
その場合は、私はお子さんにかかわることが出来ません。

そして、バブル期が親御さんのお金を稼げる時期までに終わり、
デフレ期に親御さんになった親御さんが、今です。
今は、
「近代家族」であろうとしても、
親御さんはお二方ともに雇用労働力になることが
要請されている時代です。
そして努力しても今享受している生活を続けられないかもしれない、
という不安とともに生きている方が多い時代です。
なのに今の政治の考え方を支えているのは、
お金もちにどんどんお金持ちになってもらって、
彼らから税をきっちりむしれば、
みんな、彼らが稼いでくれるから
とりあえず政府は回るから、
別にお金を納めてくれるわけじゃない
所得の少ない方は関係ありませんよ。
どうぞ、ご自由に!という時代で、
なおかつ、
会社が小さくなっていく中で、
新人を鍛えていくために放り込んでいく現場を持たなくなり、
企業の中で仕事の能力を訓練することも
しにくくなっているために、
企業に入ってから鍛えればよかった
コミュニケーション力を会社に入るために
身につけることが養成されているお子さん方。
なのに学校は
そういうことはまずつぶしの聞く大学に入ってから
考えればいいよ、と去勢し、
それにみごとに乗っかって、
去勢されてしまう優秀なお子さん方が
ライバルとしてたくさんいるお子さん方。
格差社会の中で
今日を死ななければそれでいいという文化を
お持ちの親御さんも増え、
その文化を受け継いだお子さんも席を並べる今日この頃。
そのなかで、
少なくとも今の社会の中で
生き残るためには
勝ち組とやらにならざるを得ず、
家庭の構成メンバーだけではここまでの教育も難しく、
学校教育はまだシステムとして追いついておらず、
そこをニッチに追いかけるものとして、
私は呼ばれて、インターホンを押すのです。

こんにちは、家庭教師の、はじろです。

ですから、家庭教師というのは、
本当に社会の最前線の
思い仕事だと思うのです。

まあ、そうした社会に直面することなく、
楽に稼げる仕事だとお思いの方は、
それはラッキーなことなのだろうと思いますが、
たぶん、まだしばらく、
家庭に教育力を求めながら
家庭で教育できなく、しにくく
し続けている社会であるかぎりは、
自覚ある家庭教師と、そうでない家庭教師で、
えらく差が出てくると思います。