昨日は二期会の「蝶々夫人」鑑賞会でした。

 

指揮はバッティストーニさん、演出は宮本亜門さん、衣装は高田賢三さん。どんな蝶々夫人になるのかワクワクでした。

このあと横須賀公演があるようなので横須賀公演の方にはネタバレになってしまいますので以下お気をつけください。

 

まず演出!

病院のベッドから始まります!驚き。

そこには死にゆくピンカートン。傍らに蝶々さんとピンカートンの息子。

そこから回想のような形で始まるのです。斬新すぎる。

 

舞台の端にはいつでも息子の姿。

物語は進み、ラストシーン、蝶々夫人は自害します。

それと同時に最初の場面病床のピンカートンが「バタフライ」と三度叫んで帰らぬ人になる。

その瞬間、蝶々さんとピンカートンは手を取り合うのです。

まさかのハッピーエンド。

 

そして衣装。これも斬新。

1幕では白い打掛の蝶々さんに美しいカラフルな着物姿の芸者さんたち。さすがケンゾーさん、色がきれい、着付けもキレイ、着物はこれでなくちゃ、、と思いきや、2幕以降の蝶々さんは「洋装」なんです。

しかも下着姿で出てきたり!

蝶々さんの「ここはアメリカの家」と言う言葉を拾って改宗してアメリカ人になった蝶々さんの心情がよく表れている気がしました。


バッティストーニさんの指揮はエネルギッシュでメリハリがあってかっこよかった。が、歌手よりオケが目立っていました。と言うか残念ながら歌手が霞んでしまいました。

歌手はスズキの花房英理子さんがよかったです。

 

この演出には賛否分かれると思いますが、私は良かった。劇的な物語としては、インパクトが弱くなる気もしますが、蝶々さんがどんなに一途だったか、全てを捨ててピンカートンに人生を捧げたか、ピンカートンがどんなに浅はかだったをここまできめ細やかに描いたのは、日本人ならではと思います。蝶々さんへの共感、めっちゃ強い演出という感じでしょうか。アメリカ人の奥さんかわいそうだけど、ここは仕方ない笑。

 

 

私は映画でもなんでも、バカの一つ覚えでハッピーエンドが好きです。いつも蝶々さんが可哀想すぎるので救われました!