2011-04-29 17:07:10

ハーモニー

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ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)/伊藤 計劃
久々に衝撃を受けた。

音楽に関する本ではない。
SF。
ただ、SFというジャンルにくくってしまうには、
余りに壮大なテーマを取り扱っていて、
更にそこに臆せず、
真っすぐに取り組む作者の心意気に、
しびれた。

Watch meというシステムによって、
ほとんどのあらゆる病を克服した世界。
人は老衰と事故以外で死ぬこともなく。
その事故でさえも、
自動車や飛行機、
さらには、ジャングルジムに至るまで、
人にやさしい人工知能によって、
未然に回避されている。
個人のプロフィールも、
拡現(オーグ)によって、
オープンにされ名刺も必要ない。
個人のエゴよりも、
集団のハーモニーが尊重され、
お互いを支え合い、見守りあう社会。
そんな慈愛(?)に満ち満ちた
「やさしすぎる」社会に嫌気がさし、
Watch me を体内に入れる直前に
自殺を試みようとする15才の主人公たち。

<i:大人になることを受け入れるふりをすること>
<i:大人であるとシステムをだましつづけること>

そして、それが未遂におわり、
13年後に生きる主人公のストーリー。

「いのちを大切にする」という大命題を追及するあまり、
皮肉にも
「個人」「意志」「精神」といった概念自体が
希薄になった社会において、

それでも「じぶん」を体現しようとする
主人公「トァン」

わかる人にはわかる、etmlという言語を使用し、
驚くほどよどみなく、緻密な筆致で
悪夢的な近未来を描いたこの小説は、
日本SF大賞をはじめ、多くの賞に輝いた。

しかし作者、伊藤計劃氏は
2年ほど前に受賞を知ることなく、
この世から去った。
享年34才!!

なお、この「ハーモニー」は
実は「虐殺器官」という小説の続編。
順序が逆になってしまったけど、
僕は、いまその虐殺器官を読んでいる。
事実上、この二つの長編のみしか、
残さず亡くなったとは。。。。。

その計り知れない才能を思うと残念でならない。

最後に、
この「ハーモニー」は英訳され、
今年のPKディック賞にノミネートされているらしい。

墓に花を盛るのは、人の世の常だが、
できれば、
生きているうちにしっかり評価されて欲しかった。。。。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)/伊藤 計劃

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2008-06-14 15:35:28

荒巻茂生万歳!

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荒巻茂生、渾身のニュー・アルバムが完成!
6/22発売です。
詳しくはこちら(予約も出来ます)

http://www.airplanelabel.com/cdlists/ap1035.html

アルバムタイトルは
「From the far east」
僕のニュー・アルバムのタイトル「Japan」
との強烈なシンクロニシティを感じてしまいます。

すべて荒巻オリジナルの楽曲は、
いくつかの楽章をなしたスケールの大きな曲ばかりです。

メンバーは、荒巻茂生、峰厚介、竹内直、吉田桂一、本田珠也。
僕のアルバムにも参加してくれた素晴らしいプレーヤーばかりです。

もちろん世界逸産とも吉澤アルバムともまた違う、
荒巻芸術の真骨頂を堪能できます。


ぜひ、彼とその仲間たちのアツいプレイに触れてみてください!
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2007-11-16 15:04:06

久々のリミックス仕事

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ニーナ・ミランダ&クリス・フランク・プレゼント:ジープ/ジープ
僕の作品の中で I am with you, Beyond the sunshineを歌ってくれたニナ・ミランダと、DaLataのクリス・フランクによる新しいバンド「ZEEP」
そのデビュー・アルバムのリード曲「Super」をリミックスしました。
リミックスの仕事は久しぶりでしたが、とても楽しかったです。
また、記念となる新しいスタジオでの最初の仕事でもあり、はりきって打ち込んでみました。(どっちの意味でも...)
ZEEPは、とてもナチュラルで優しい感覚にあふれたサウンド。
ニナとクリス、そしてまわりのミュージシャン、家族、子供たちの温かいフレンドシップを感じます。
ぜひ、一度チェックしてみてくださいませー。
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2007-11-10 14:30:59

クラブ・ジャズ入門

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GROOVE presents クラブ・ジャズ入門/沖野 修也
盟友、沖野修也氏が新しい本を上梓。
クラブ・ジャズとは何か?
クラブ・ジャズはジャズではないのか?
とても難しい命題に真っ向に立ち向かっています。

わかりやすく平易な文章。
それでいて、切り口が鋭い。
時折こんなことまでいっちゃっていいのか?とどぎまぎしてしまうほど。

好きなもの、嫌いなものをはっきり言うことって、
ほんとに勇気がいると思います。
彼のことを中途半端に批判する人がいますが、
時代を切り拓いていく人間の秘めたる努力と孤独に対して、
もっと理解が欲しいな、と思います。

彼の文章は(彼自身のブログを見ても思いますが)
いい意味での獰猛なる自意識の爆発を感じさせます。
それが程よいスピードと緊張感を生んで、
心地よい爽快感を与えてくれます。

この本が、
DJやミュージシャン、リスナーたちの意識の革命を誘発し、
真に充実した新しい音楽シーンが生まれればいいな、
と考えています。
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2006-10-20 04:06:58

僕の父さん

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松竹
日本の夜と霧
僕の父が、出演していた映画です。
最近購入して衝撃を受けました。
何しろ、子バカではありませんが、うちの父さんがぴか一の演技(台詞も長ければ、ワンシーンも長い)をしていたんで、、、絶句しました。

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2006-09-08 20:09:33

"元奨"の真実

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音楽のプロになるのには、
資格も試験も学歴さえも必要ありません。

そもそも、プロフェッショナルかどうかを、どの尺度ではかるのか?
一般的にいえば、音楽で生計を立てている人、ということになるのでしょうか?
でも中には、素晴らしい才能、技術、パフォーマンスを持っていても、
お金を稼いだり、仕事をとる才能に恵まれず、
アルバイトをしながら音楽を続けている人もいます。

好きな音楽で生きていける。

たくさんの人がその夢に向かって、がんばっている。
どんなにつらくても決して翼を折る事なく、
自分の音楽を磨き続けている。
でも、チャンスはかならず訪れます。
それも、一回ではありません。
何度もあります。

唐突ですが、将棋界はどうでしょう?

将棋のプロになる為には、
新進棋士奨励会(奨励会)という機関で実績を積み重ねなければなりません。
トップ・プロさえもおびやかす強豪がひしめく三段リーグにおいて、
上位2位までに入らないとプロ棋士は名乗ることはできないのです。

奨励会には年齢規定があり、
満26才の誕生日を迎える三段リーグ終了までに、
四段(つまりプロ)に昇段できなかったものは、
退会となってしまいます。

言い方を変えると、
子供の頃から将棋を指す事だけに、
人生の時間の大部分を費やしてきた26才の大人が、
退会の日から、将棋を指す事で生計を立てる道を、
ばっさり閉ざされてしまうのです。

去年、将棋界では一つの大きなニュースがありました。

元奨励会に在籍、年齢制限による退会後、社会人となった瀬川晶司さんという人が、
アマチュアとして、プロ相手に17勝7敗の高勝率、トップ・プロからも金星をあげました。
さらに、彼がしたためた嘆願書により、
実に61年ぶりのプロ編入試験が行なわれ、見事に合格したのです。
このことは、将棋界を大きく揺らしました。

月刊誌「将棋世界」に連載されているノンフィクション、
「"元奨"の真実」は大変読み応えがあります。
年齢制限のみならず、さまざまな理由により奨励会を退会していった人たちの、
生々しい人生絵図が、抑制のきいた文章で、迫力たっぷりに描かれています。

その狂おしいほどまでの将棋に対する愛情、夢、そして憎悪。
激しい喪失感のまっただ中にいて、
かつ、社会に適応しなければいけない現実に直面し、
それらを乗り越えてゆくさまは、
息が詰まりそうな切迫感にあふれています。

かなり、辛口で塩っ辛いかもしれませんが......
もし、書店で見かけたら、ぜひご一読をお勧めします。

さて、余談になりますが、
瀬川さんの一件もあり、今年になってプロ編入制度というものが創設されました。
アマチュア・女流棋士に対して、
奨励会に入会せずとも、編入試験によりプロになれるという新制度です。

プロの世界は、どの世界も厳しいと言いますが、
「組織ありき」の将棋界ならではの難しい線引きもあるのでしょう。

しかしもっとも大きくて根本的な問題は、
僕たちの世界もそうですが、
よりたくさんの人々に自分たちの仕事の魅力を伝える、
という普及に関わる事だと思います。

ちょっと、話がずれてしまいましたね。
今日はこの辺で...
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2006-08-31 13:50:53

壁を破る言葉(岡本太郎)

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岡本 太郎
壁を破る言葉
限界は、考えない。
人間は、はじめから限界のふちに
立たされているんだから。


本屋さんでこの本を見つけ、ページをめくったとたん、目に飛び込んできたのが上の言葉。
なんて、大きく強いメッセージを持った言葉だろう!

シンプルなのに、ひろがりがある。
張り手をくらったような厳しさを感じつつ、なお励まされる。
そして、なによりも、愛を感じる。

一気に、30ページぐらい立ち読み。
読もうと思えば、ものの15分ぐらいで読破してしまいそうだ。
でも、そこでやめた。

想像してみた。

家に岡本太郎がいつもドカッと座っていて、壁に突き当たったとき、叱咤/激励してくれる。

即購入。


ものをつくる人は、必ず、ゆきづまるときがある。
壁にぶつかる。それがつくることだと言ってもいいくらい。
苦しみ、もがき、出口がみつからない。
そういうとき、どこでもいい。ぱっとひらいて見てください。
必ずこの中に、壁を突き破るヒントがある筈だ。
.........岡本敏子氏のあとがきより

この夏の唯一の後悔は、人を見に行くのがいやで「明日の神話」を見逃したこと....
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2006-08-17 02:01:25

キース・ジャレットのパリ・コンサート

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Keith Jarrett
Paris Concert
キース・ジャレットはたくさんのソロアルバムを出しています。
ピアノ・ソロに絞って一枚選べ、といわれても困ってしまうほど。
だけど、ぼくはこのアルバムはいろんな人に勧めたいです。

まず、クラシックが好きな人。

最初の出だしから、圧倒的です。
きっと、これを聴いたクラシック好きな人は、ジャズピアニストって誰でもこんなふうに即興でバッハのような演奏ができるの?っと勘違いしてしまうほど、よどみなく、また同時に正直な演奏です。

ちなみに、こんな芸当はキースにしかできませんから安心してくださいね。

次に、ジャズが好きな人。
あれ?これまんまクラシック?と、思いはじめた6分過ぎぐらいから、だんだんと深い闇のような世界が広がってゆくんです。
左手の、低音のオスティナートに対して、右手が徐々に物語を紡ぎだす瞬間の臨場感がとてもいいんです。

ちなみに、ぼくはキースが演奏中にあげる嗚咽のような声に関しては、正直苦手です。
でも、9分過ぎからうるさくなってくるキースの「ウィウィウィ~」もなぜかあんまり気になりません。

11分ぐらいから、スケールの練習か?と思うようなフレーズが執拗に出てきます。
ここら辺は、ジャズ・ピアニストの悲しいSAGA(性)を思わせます。

ジャズという音楽はいつからか、とっても狭いカテゴリーの中に押し込められた感がありますが、このアルバムの演奏を聴くと「一体どんだけ自由な音楽なんじゃ?」とため息をつくほどです。

クラブ・ミュージックが好きな人。

実は以前まで、僕は勘違いしていた節がありました。
今となっては、クラブ・ミュージックが好きな人って、いろんな音楽を最も抵抗なく受けいられる人種だと思っています。
その根拠は、クラブ・ミュージックがありとあらゆるジャンルの音楽を呑み込んでゆくヴァイタリティを持っている、という事です。

一昔前までは、ジャズがそうだったと、僕は信じていました。
ところが、いつになっても相も変わらず、排他的で自己完結的な世界に満足し固執するジャズ界に、少なからず失望しています。

このキースの純粋さを、もっとも新鮮な耳で受け入れることができるのは、もはやクラブ・ミュージックを聴いている人たちではないか、とさえ思ってしまうほどです。

勿論、異論もあると思います。
クラブ・ミュージックもここ数年でジャンルの細分化が急速に進み、ジャズ界が辿ったような無意味な住み分けが加速しています。

悲しみと怒りと祈りが混じったような、激しいサウンドが25分から27分にかけて、少しづつ不思議なミニマルな方向に変容してゆきます。
僕は、これこそ本物のトランス・ミュージックだと思います。

そして、どんな音楽も基本的にはトランス的な要素を持っているとすれば、最終的にはこの世の中の音楽は、こうしたハイ・クオリティな音楽と、そうでないものにわかれるのではないか、と思います。

最後になりましたが、ブルースが好きな人。
ぜひ、このアルバムの最後。(おそらく、アンコール曲だと思われます)
「ブルース」という曲を聴いてください。
間違いなく、楽しめると思います。

ジャンルは関係ない、とかいいながらもこうしてジャンルに分けて一枚のアルバムを説明している僕自身、十分そのジャンル狂想曲の奴隷者なのかも知れませんね。

長々と失礼をばいたしました。
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