指定廃棄物最終処分場問題について(その2) | あみなかブログ

指定廃棄物最終処分場問題について(その2)

○最終処分場とは?


指定廃棄物を長期にわたって管理する施設であり、最終的にはそこで埋立て処分、つまり最終処分される場所となります。


○最終処分場の大きさ、構造は?


環境省は、処分場は下のとおりとなると説明しています。







○「最終処分場」と「長期管理施設」の違いとは?


平成27年4月13日に環境省が開催した有識者会議で、「最終処分場」から、「長期管理施設」へ呼称変更されたもので、実質的には同じものと考えられます(本政務調査レポートでは「最終処分場」とします。)。


○なぜ、1カ所での処理なの? 各市がそれぞれ処理すればいいのでは?


環境省としては、1カ所に集約した方が管理・監視しやすく、万が一の場合も対応しやすいためとしています。
しかし、茨城県では分散保管を検討しています。千葉県の市町村長会議でも同様の対応を求める議論がありましたが、環境省は採用しませんでした。


○指定廃棄物最終処分場の詳細調査候補地に選定されたことの意味とは?


最終処分場を設置することについて、その安全性等について詳細な調査をするということであり、その調査で安全性が確認されば、最終処分場が設置されることとなると考えられます。


○候補地になった経緯は?


環境省は、4回の市町村長会議、8回の指定廃棄物処分等有識者会議を開催しました。
市町村長会議では、最終処分場として県内1カ所に集約する、民有地も候補の対象とする、県の廃棄物処理施設の立地等に関する基準を準用することなどが決定されました。有識者会議では、候補地の選定手法等が決定されました。
これらの結果、環境省は詳細候補地を蘇我に決定しました。


○市町村長会議ではどのような議論がなされたの?


第3回目(全4回開催)の会議では、環境省が提案する県内1か所での処理について、出席した市長や町長らから異論が噴出しました。
それにも関わらず、環境省は1か所で処理する方向で強引に議論をまとめました。
そして、県は、候補地の選定にあたって国有地・国有林のみならず民有地も対象とすること、また、県の廃棄物処理施設の立地等に関する基準に配慮をするよう環境省に提案し、了承されました。


○候補地の選定過程は? 


環境省は、有識者会議及び市町村長会議での議論を踏まえ、以下の3点をもとに検討し、候補地を決定しました。


1.安全等の観点から避けるべき地域を除外
  ・地すべり、斜面崩壊、土石流、洪水、雪崩、活断層、津波、火山噴火などの可能性がある場所を除外


2.利用可能な国有地に加え、県から提案のあった民有地を含む土地の中から、必要面積が確保可能な土地を抽出


3.安心等の観点から、以下の4点について、それぞれ5点満点で点数付けし、候補地としてより望ましい土地を抽出








○この結果683か所について下記の一覧表(一部抜粋)のとおりとなり、総合評価16点で最高点になった東電敷地が候補地となったとのことです。(同点の2番は民有地であり、当該土地所有者が使用予定ありとのことで除外されたとのこと。)




◎あみなか肇の指摘


環境省による市町村長会議の進行、まとめ方は、強引で無理があったと考えます。ここからやり直す必要があると考えます。


また、県は民有地も候補地とすること、県の廃棄物処理施設の設置基準を準用することを提案し、環境省はこれを即時に了承しましたが、かなり不自然さが感じられます。つまり、東電敷地ありきだったのではないかとも考えられる可能性があったのではないかと思われます。


全4回をとおして環境省・千葉県のシナリオどおりに会議は進められ、市町村長会議であるにも関わらず、市町村の意見は採用されませんでした。極めて強い違和感を感じざるを得ません。


また、第5回の有識者会議では、10段階の植生自然度のうち、自然度1.2.3.4は除外され、6.7.8ぐらいの「ちょうどほどよいところ」が候補地になるだろうという、座長の発言がありました。ちなみに蘇我の候補地は自然度1です。つまり、自然度6.7.8ぐらいの「ちょうどほどよいところ」が候補地としてふさわしいものであり、自然度1の蘇我の候補地は全く候補地たり得ないと考えられます。そもそも、この指標自体が、人口密集地・市街地ほど処分場にふさわしいという、通常の感覚では受け入れられないものとなっています。


同様に、準用することとなった県の廃棄物処理施設の設置基準についても、この対象はあくまでも単なる「廃棄物」であり、放射性物質を含む「指定廃棄物」にまでその対象を拡大することについて、受け入れることはできないものと考えます。


(続く)


千葉県議会議員

あみなか肇