NASCARオフシーズンの動き | 日日不穏日記・アメブロ版

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gooで公開している同名のブログ(主に身辺雑記)とは別にモータースポーツに特化して立ち上げたブログ。現在はNASCAR推し。YouTubeで全36戦を追いかけます。オフシーズンは、他のモータースポーツの記事も書きます。

 11月5日にNASCAR最終戦:フェニックス(NASCAR Cup Series Championship Race)で、ライアン・ブレイニーが、2位フィニッシュして、初のチャンピオンを決めて、既に1月半が過ぎている。この間、オフシーズンで様々な動きがあったけれども、来年2月4日にロサンゼルス・メモリアル・コロシアムでの「Busch Light Clash at The Coliseum」で、2024年シーズンが始まる。もう、オフシーズンも半分以上が過ぎている😲。

 ドライバーの動きを見ていくと、ヘンドリック・モータースポーツは、ウィリアム・バイロン、カイル・ラーソン、チェイス・エリオット、アレックス・ボウマンの4台体制は変化なし。今シーズン6勝を挙げて、大飛躍を果たしたバイロンは2025年まで契約があり、ラーソンとボウマンは2026年まで、エリオットが2027年となっている。

 いずれにしても、2025年シーズンまでは、現状のラインナップは変わらず、バイロンも契約延長の可能性は高く、最年長は31歳のラーソンと全員年齢は若く、暫く4台の体勢は変わりそうにない。10年前のヘンドリックのジミー・ジョンソン、ジェフ・ゴードン、デイル・アーンハート・ジュニア、ケイシー・ケインの時代とは大きく違う。

 エリオットが、スノーボードでの足の骨折で6戦欠場、第14戦のコカ・コーラ600で、デニー・ハムリンと故意に衝突して1戦出場停止処分を受けるなど、オーナーポイントで、プレーオフに出場したものの、ドライバーとしては出場出来ず、ボウマンはスプリントカーでのレースでクラッシュし、3戦欠場。チームはラーソンとボウマン中心に移りつつあり、この2人の巻き返しは注目される。

 カウリグ・レーシングは、レギュラードライバー2人が交代。31号のジャスティン・ヘイリーは、フォード陣営のリック・ウェアレーシングに移籍し、複数年契約。初開催のシカゴのストリートレースで健闘しただけに、24歳の若さと、7月20日という早い時期に発表されたことに驚かされた。16号のAJ・アルメンディンガーは、プレーオフのシャーロット/ローバルでキャリア3勝目を挙げたものの、スポンサー獲得に問題を抱えていたこともあって、来年の開幕戦、デイトナ500への出場は決まっているが、カップ戦はスポット参戦に留まる模様。その他のレースは、タイ・ディロンが走ると見られているが、正式なリリースはなく、ローテーションになるとも思われている。ヘイリーの後任は、ダニエル・ヘムリックで、フル参戦は2019年のリチャードチルドレス・レーシング以来。2022年には、16番をヘムリック、ノア・グラグソン、アルメンディンガーの3台でシェア。昨シーズンはカウリグから、エクスフィニティ・シリーズでフル参戦している。

 JTGドアティ・レーシングは、リッキー・ステンハウス・ジュニアが、2022年に複数年契約を結んでいるが、動きはなく、契約継続の模様。今シーズンはデイトナ500を制しており、1台体制のまま、変更はない模様だ。2020年以降、2024年は、5年目のシーズンを迎える。

 リチャードチルドレス・レーシングは、カイル・ブッシュと、オースティン・ディロンの体制は、来年も継続。カイルは、去年を最後に2008年から在籍してきた、ジョーギブス・レーシングから移籍。複数年契約を結び、第2戦のフォンタナで、19年連続優勝を挙げ、NASCAR記録を達成。第15戦までに3勝を挙げるも、トップ10が7回と低迷。プレーオフ進出を果たしたものの、ランキングは14位に終わっている。
 チームメイトのオースティン・ディロンは、2025年まで契約を残し🉃はいざーているものの、トップ10は6回、ランキングも29位でもう一つ。シートを失うことはないだろうけども、来シーズンは正念場と言えそうだ。

 シボレー最後は、トラックハウス・レーシングチーム。ロス・チャステインとダニエル・スアレスは、2023年に複数年契約を結び、チャステインは、ナッシュビルで、今シーズン初勝利を果たし、2年連続でプレーオフに進出。最終戦のフェニックスで優勝して、2014年以来の現行のフォーマットで、チャンピオンドライバー以外で、初の優勝を果たしている。ケビン・ハーヴィックのスポンサーであるアンハイザーブッシュが参加。

 スアレスは、優勝なしのトップ10が10回でポイントランキング19位と今一つ冴えていない。昨年はソノマで、キャリア初勝利を果たしたが、プレーオフ進出はならず。来シーズンは真価が問われる。 去年、91号枠で参戦したシェーン・ヴァン・ギスバーゲンは、カップ戦には、7戦にスポット参戦する予定で、エクスフィニティ・シリーズに97号車として、フル参戦することになっている。エクスフィニティで経験を積ませ、カップでのフル参戦という目算なのだろうが、アルメンディンガーがチームメイトになる。ロードコースを得意とする2人が戦うのは興味深い。

 次はフォード陣営に。フロントロー・モータースポーツは、マイケル・マクダゥエルとトッド・ギリランドが、2023年に1年の延長契約を結んでいるので、2人とも変更なし。マクダゥエルは、2018年から継続参戦で、今年で7年目。2021年のデイトナ500と2023年のインディ/ロードで優勝して、2度プレーオフ行きを決めており、トップ10を7回と活躍。来年のシーズンオフには、40歳を迎えるが、まだまだ活躍が期待出来そうだ。

 ラウシュ・フェンウェイ・ケセロウスキーレーシングは、共同オーナーのブラッド・ケセロウスキーと2024年までの契約があるクリス・ブッシャーが残留。今年は、ケセロウスキーは未勝利ながら、プレーオフ行きを決め、ブッシャーは、リッチモンド、ミシガン、デイトナとレギュラーシーズン終盤の5戦で3勝を挙げ、ランキング7位。スチュワート・ハースレーシングを抜いて、フォード陣営の2番手に浮上。来年の活躍に期待大。ケセロウスキーの3年ぶりの勝利を観たいものだ。



 スチュワート・ハースレーシングは、来年も4台体制を維持。ただ、カーナンバー4のケビン・ハーヴィックと10であるエリック・アルミローラの2名がカップ戦フル参戦から、今シーズン限りで撤退。ハーヴイックのスポンサーを務めていたアンハイザーブッシュが、前述のようにトラックハウスのカーナンバー1号に、ハント・ブラザーズ・ピザは、ペンスキーのジョーイ・ロガーノとの複数年のハートナーシップ及び、ライアン・ブレイニーとアソシエイトスポンサーになることが決定。さらにアルミローラが去ることにより、メインスポンサーのスミスフィールドがNASCARから去ることが決定。スチュワート・ハースにとっては大きな痛手になる。

 一時は3台体制になる可能性も取りざたされたが、今年のヘンドリックで、エリオットとボウマンの代打を務めたジョシュ・ベリーが4号車に。レガシー・モ―タースポーツにいた今年、SNSで人種差別発言が批判され、シートを失ったノア・グラグソンが、アルミローラの後任としてカップ戦フル出場(複数年契約)。ちなみにカップ戦から撤退したものの、アルミローラが、ジョー・ギブス・レーシングから、エクスフィニティ・シリーズブポット参戦することという、異例の事態になっている。

 残る2人は残留。チェイス・ブリスコーは、2023年に26年までの契約を結び、ライアン・プリースも残留だが、契約年数は分からない。エクスフィニティ・シリーズでチャンピオンになったコール・カスターが、アルミローラの後任になるという噂もあったが、憶測に終わった。ハーヴィックの引退により、遂にチャンピオン経験者がチームにいなくなった。勝利を経験してるのも、昨年1勝を挙げ、プレーオフに進出したブリスコー1人。ハーヴィック後のスチュワート・ハースがどうなっていくか、注視したい。

 そして、NEXT GENになってから、2年連続でチャンピオンになっている、チームペンスキーは、オースティン・シンドリック、ライアン・ブレイニー、ジョーイ・ロガーノの3人体制で変化なし。シンドリックは、チーム代表のティム・シンドリックの息子であり、シートは安泰だが、去年の開幕戦、デイトナ500で初優勝し、プレーオフに進出。ランキングが12位だったのに対し、今シーズンは24位。トップ10が5回で、昨年の9回から大きく減っている。来シーズンは踏ん張りどころだ。

 ブレイニーは、コカ・コーラ600で優勝、タラデガとマーティンズビルの3勝。最終戦:フェニックスで優勝こそ出来なかったものの、2位にしっかり入り、初のチャンピオンを獲得。ロガーノと共に2022年に長期契約を結んでおり、当分、この3人のラインナップは変わらないだろう。

 フォード陣営最後は、1950年創立の現役NASCAR最古のチーム、ウッドブラザーズレーシング。来シーズンも、ハリソン・バートンが続投劇待っている。2022年から、フル参戦2年を経過して、トップ10が4回。去年は、アトランタ10位、インディ/ロード3位、今年はダーリントン6位、ポコノ8位で、ランキングは27位と31位。バートンは23歳とまだ若いから、伸びしろはあると思うが、シングルカー体制でこの成績は期待を裏切っている、としか思えない。通算勝利は、99勝で、あと1勝で100勝に迫っているが、最後の勝利は、2017年のブレイニーで、その前が、2011年のトレバー・ベインによるデイトナ500の史上最年少勝利。43勝は、1970年代に所属した、1960年代3度のチャンピオンであるデヴィッド・ピアソンのもので、約半数近くを占める。正直、バートンが来年にかなり奮闘しないと、古豪復活は難しい。

 最後はトヨタ陣営に。バッバ・ウォレスとタイラー・レディックの組み合わせは、来年も変わらず。ウォレスは2022年に、レディックは、2023年に複数年契約を結んでいる上、本来はレディックが、リチャード・チルドレスレーシングから移籍するのが来年からだったのが、去年、カート・ブッシュがポコノでクラッシュして、脳震盪でその後のレースを欠場。実質上の引退状態になったので、レディックの移籍が1年早くなっただけなので、まだ27歳と若く、去年の3勝に続き、今年も2勝を挙げてい、レディックのポジションは安泰。ウォレスも悪くはないが、コンスタントにプレーオフに行ける成績を残さないともに足りない。この2人の体制もしばらく続きそうだ。

 そして、ジョーギブス・レーシングだが、来年度も顔ぶれに変更なし。デニー・ハムリンが2023年に複数年契約を締結。マーティン・トゥレックス・ジュニアも単年度で契約を更新。ハーヴィックが引退し、フル参戦最年長の43歳の超ベテランコンビが来シーズンも動かず。来年以降、どちらかが引退すれば、ネメチェックが起用される可能性は十分ある。

 クリストファー・ベルは、2022年に複数年契約を結んでいるが、2年連続でプレーオフのファイナリストになっていること、29歳になったばかりでまだ若いことを考えると、チームとの契約は長く続くのは間違いなさそうだ。タイ・ギブスは、今年から、エクスフィニティシリーズから昇格。グラグソンが、リーズン途中で離脱したことから、事実上ライバルがないまま、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。トップ10が10回、ランキング18位と文句なしの成績。ジョー・ギブスの孫ということもあり、若手2人は問題なさそうだ。

 最後に来年からトヨタ陣営に加わるレガシーモータースポーツクラブ。ネメチェックは、2020年にフロントローモータースポーツでフル参戦して、トップ10が3回。それ以降は2021~22年にトラックシリーズでカイル・ブッシュ・モータースポーツで、フル参戦して3位と5位。去年はジョーギブス・レーシングでエクスフィニティ・シリーズで7勝を挙げて、ランキング4位と下位カテゴリーで着実に実績を積み、来年もジョ・ギブスから、引き続きエクスフィニティ・シリーズに参戦する。トヨタ系ドライバーの秘蔵っ子であり、トゥレックスの去就次第では・・・前に書いた通りだ。

 エリック・ジョーンズは、2022年に複数年契約を結んでいて、残留は確定。2018~20年にジョーギブス・レーシングに所属して2勝を挙げたが、それ以降は、リチャード・ペティ・モータースポーツ以降、名称は変われど、3年間所属している。去年は、ダーリントンで1勝を含むトップ10が13回と大きく活躍したが、トップ10は7回と半減。ランキングも18位から27位に大きく落としている。年齢的にはネメチェックの1つ上である27歳で、カップシリーズでのキャリアは段違いであることからも、ネメチェックを圧倒するほどのパフォーマンスを見せて欲しい。

 スポット参戦で、共同オーナーのジミー・ジョンソンも走ることになるが、具体的な参戦がどうなるかは未定。今シーズンは大きな不幸があったジョンソンだけにまだ分からない。1975年9月生まれのジョンソンは、カップ戦最年長の48歳になっている。