モンスター

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モンスター


モンスター


監督・脚本:パティ・ジェンキンス

出演:シャーリーズ・セロン クリスティーナ・リッチ ブルース・ダーン リー・ターゲンセン アニー・コーレン

日本配給:ギャガコミュニケーションズ



★★★★★★★☆☆☆


シャーリーズセロンに女優魂を見る度 120点



ストーリー

女優を夢見る平凡な少女だったアイリーン。しかし、不幸な境遇の中、救いを見つけて、いつしか娼婦になっていく。

いつしか希望すら忘れかけた時、アイリーンに近づいてくる女性がいた。

彼女との希望への旅立ちの直前、アイリーンは客に暴力を振るわれ、とっさにその客を殺してしまう。

そのまま逃避行を続ける二人だが、恐怖により娼婦に戻れないアイリーンは、一線を越えたことで抑制がきかなくなったかのように、客を殺しては逃走資金にあてていく・・・



シャーリーズ・セロンの女優魂に脱帽である。

最近見た映画で、「メゾン・ド・ヒミコ」の柴崎コウが「ブス役」でノーメークで出ていたが、なんと言うか、レベルが違う。柴崎が悪いわけではない。シャーリーズがすごすぎる。

10キロ以上の増量、ノーメークな上、喋り方、動作の一つ一つまで拘ったというシャーリーズ演じるアイリーンの迫力は、言葉にできない。



胸が締め付けられるようだった。痛くて痛くて、仕方がなかった。

客に暴力を振るわれ恐怖から殺してしまうアイリーン。

娼婦を辞めようと、仕事を探し始めるも、教養が足りない事で、無知である事で、受け入れられない現実。

経済的不安から娼婦に戻るように望むセルビーの為、娼婦に戻るも、もはやカラダを赦すことができず、客を殺してしまう、最悪のスパイラル。

誰が、何が、悪いのだろう。

勿論、一番悪いのはアイリーンだ。

人を殺すという行為。それは、たとえ、どんな境遇であったとしても、どんな理由があったとしても、許されることではない。

途中、「妻も子供もいて、女を買う奴は死んでしまえ」みたいなセリフが出てくるけど、勿論、それはアイリーンが殺人という行為を続けるための自己正当であり、実際に、最後の被害者の老人はアイリーンを買おうとはしていなかった。

愛情を求め続けるが故の悲劇。私は、セルビーの責任も皆無とはいえないと思う。

でも、どうしてこうなってしまったのか。堂々巡りの考えに未だ答えは出ない。



ただ、一つ、ひっかかるものがある。

この映画での被害者の描き方だ。

「誰でもいいから女を買う男」というように描かれてはいないだろうか。

買春をしていても、それは、死に値する罪ではない。

死者に鞭打つ、そんな描写はやはり疑問が残る。

被害者の家族が見たら、と思うと、アイリーンを思う痛みとは別に、胸が痛む。



とにかく、すごい映画でした。

愛情を求めるがゆえの悲劇を思いつつも、その感情が犯罪を肯定するものではないか、という自分自身への疑問。

うまく言えないけれど、色々な事、色々な人の気持ち、色々考えました。


私は、アイリーンの次にいやなのは、絶対にセルビーだな。