さて、冬男の追い回しは、半年経って
終わった様だ。

しかし、同時に、
愛おしさが募れば、募るほど、
自分の首を しめる様な感情が
芽生え始めていた。

つまり、初体験の奴への嫉妬だ。
いや、恨みにも似た感情だ。

野球拳から始まった事がある。
ほくろ の数を数え合っていたら
始まった事も。

そうとう女慣れした野郎だ。

こんなにも純粋無垢で、純朴で、従順で、
一途な彼女を
モテ遊んだ野郎!

ただ、決して、クチに出してはいけない
そいつの悪口。

私は、それを押さえる事に
苦悩しはじめた。