中国地方財政は土地頼み 売却収入4割増に
住宅価格停滞景気減速リスク

2014年(平成26年)4月22日(火曜日)
 【北京=大越匡渾】中国の地方政府が土地取引による収入での財源確保を急いでいる。財誓によると地方政府による1~3月の土地の譲渡収入は1兆元(約16兆5千億円)を超え、前年同期比で4割も増えた。景気が減速するなか1財源不足を補うためだ。地方政府が土地の供給を増やすと不動産価格の下落圧力が高まるだけに、景気が一段と減速するリスクもある。
 中国独自の土地制度が地方政府の土地譲渡収入への依存に拍車をかけている。土地の私有が認められず、農地など農村部は村民委員会などによる集団所有、都市部は国有と制度が二分されている。都市開発に回せる土地は限られるため、地方政府は手っ取り早く収入を得ようと農地を安値で収用し、都市部の宅地や商業地として開発業者に「使用権」蓋聖冗する。
 

こうした土地譲渡収入は2013年通年で4兆1千億元を超え、前年の1・4倍と過去最高になった。今年に入っても増勢が続き、1~3月は前年同月比40%増の1兆800億元。地方政府は税金などの財政収入とは別に、その6割近くに相当する収入を土地の売却で稼ぎ出した格好だ。
 

背景には地方政府の慢性的な財源不足がある。財源が中央に偏っているのに加え、地方政府は原則として地方債を発行できない。1~3月の地方の財政支出は低所得者向け対策などの負担で財政収入を3割も上回り、前年同期比の伸びをみても支出は13・3%増に対し、収入は11.8%増にとどまっている。
 漸江省は66・3%、天津市は64・6%-。有力経済誌「中国経済週刊」は最近、地方政府の債務返済に占める土地譲渡収入の割合を分析した記事を掲載した。地方政府は13年6月時点で返済に直接責任を負う分だけで10兆円元を超える債務を抱え、土地転売なしには財政が回らないのが実情だ。
  財政の土地取引への依存は、不動産開発を巡る官僚の腐敗を生みやすいだけでない。住宅など不動産価格を押し下げる可能性もはらんでいる。経済には打撃だ。多くの富裕層は不動産投資で富を得ており、住宅価格の下落によって、投資や消費の鈍化、不動産向け融資の不良債権化など、景気を二段と減速させるリスクが増すためだ。
 習近平指導部は都市化の推進を掲げ、低所得者向け住宅の建設や内陸部の都市整備を進める方針だ。農民の生活水準向上など都市と農村の格差縮小が本来の目的だが、中国国内では不動産市場へのテコ入れ策として期待する声が絶えない。

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地方財政が土地バブルをつくりだしてるのだ。新手の不動産投資を見つけたようだ



中国、シニア市場も桁外れ・専用の街づくり始まる
2014.4.15
中国が高齢化社会への対応を急いでいる。60歳以上人口は2013年に2億人を突破。力減少の懸念がある一方、50年前後には5兆元(約80兆円)に高齢者向け市場が広がとの予測もある。巨大市場をにらみ、不動産や投資会社が関連する住宅や医療分野でのサービスに乗り出した。高齢化ビジネスで先行する日本企業にも商機は広がるだろうか。
 上海から西へ約200㌔㍍。琵琶湖の3倍以上の広さを持つ太湖の西のはとりで、コンクリート建造物の建設が進む。
 「医療施設を年内に完成させ、その後、住宅街の整備に着手する」。東京ドームが6個は収まる30万平方㍍の敷地内で工事関係者は説明した。
 「九如城」。地元の不動産大手、江蘇中大地産集団が総額38億元(約640億円)を投じて建設する高齢者向け住宅街だ。韓国の高齢者医療専門の病院と提携、病院やリハビリ施設を併設した街をつくり出す。
18年の完工を目指しており、最終的には4千~5千人が暮らせるようになるという。
政府が後押し 中国では60歳以上の人口が25年に3億人を突破する見込みだ。「核家族化が進み、家庭での介護能力は弱くなっている」 (政府関係者)という。お年寄りが安心して自立した生活を送れるようにするにはどうしたらよいのか。人口構成のゆがみという日本と同じ課題に中国も直面している。
 国務院(政府)は昨年9月「養老(高齢者向け)サービス業の発展加速に関する意見」を策定した。事業者に対して減税や介護施設の設立手続きの簡素化などを打ち出した。
 これを受けて民生省などが関連サービス施設の建設基準やサービス基準などを相次ぎ発表した。政府が事業基盤づくりを後押しする姿勢を鮮明にしたことで、企業も動き始めた。
 中国保険大手、中国平安保険集団傘下の平安不動産は3月末、お年寄りをターゲットとする住宅事業を本格化すると発表した。まず、上海に近い漸江省と、温暖な気候の雲南省で、健康・食事管理や介護サービスを売り物に、した住宅街を整備する計画だ。.-各社の視線の先にあるのは巨大な消費力だ。中国の証券会社、長城証券は「中国経済の担い手となっている現在の40~50歳代が60歳を超えるころには年金に加えて、投資による配当収入などもあり消費力が高まる」と指摘する。その市場規模は「50年前後に5兆元に達する」という。
富裕層取り込む
 各社は医療や介護といったサービスで付加価値を高め、高額所得者層の取り込みを狙う。
 民営投資会社の復星集団(上海市)は米投資会社と組んでシニア向けマンション運営に乗り出したほか、米保険大事プルデンシャル・フィナンシャルとも高齢者向けの懐療サービスを展開する方針だ。
 日系企業でもセコムが高級老人ホームの運営事業を計画するなど、関連するビジネスへの阻心を高めている。中国企業関係者からも、「介護人材育成で日本企業の力を借りたい」と、日本企業が持つ介護や健康管理のノウハウ、への期待は高い。ある日系商社幹部は「介護ビジネスで先行する日本企業の商機は広がる」と期待する。
 もっともう医療・介者設備の投資負担は重く、投資回収には10~15年かかる。需要があることは間違いないが、収益源に育てるには時間がかかる」 (不動産業東関係者)と様子見の企業も少なくない。中国の住宅市場ではバブル崩壊懸念も根強く、景気減速と相まって、不動産会社の資金調達環境も厳しさを増している。
 官民一体でいかに効率よく事業基盤をつくるかが課題となりそうだ。
(上海=菅原透)

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これもまた鬼城となりそうな予感がする.いつまで続けるのだろうか。

この工事も完成を見ないのではないか、そんな気がする。