シャドーバンキングの問題を取り上げた報道です。
アメリカのサプライムローンに似ていますが、アメリカよりひどいですね。これが中国の実態なのでしょう。
失う人は失い、笑うものは笑う。
この構造で言うならば、農村が痛めつけられて、農業が衰退していく。都市化率が50%からさらに進むにしても、農村とさらに製造業への悪い影響が出れば、ますます経済の崩壊を招くことになるかもしれない。
日本がオリンピックを開催するころに、大きな変化がお起きているかもしれない。

それはともかく、現地取材によるものだから、実際に起きていることでしょう。これはごく一部だと思うけれど、これで中産階級予備軍だったひとたち、またはその階層に登りかけた人達が財産を失うとどうなるか。

もともと中国は日本が戦争を引き起こす前は、日本よりも豊かであり、経済的にはGDPも大きく、世界の経済と連動していたし、資本主義国であった。だから中国的ではあるけれど経営者、新主義の経済運営の人たち・階層がいたけれど、革命と文化大革命により、そのすべてを壊し、人々を一掃してしまった。残されたのは共産党員と官僚だけであった。
その役人たちが主流になって改革開放路線を付き走り出した。
これは、明治維新後の日本の近代化のプロセスで果たした官僚の役割とかなり類似すると言えるだろう。
日本では進行財閥が伸び、古い商人たちの資本は滅んだり、姿を変えて近代資本主義の形態のなかに溶け込んでいった。
中国は30年間、資本主義的経済の教育をゼロにしてしまう。資本家も経営者もゼロにして、役人と労働者だけが残った。
革命の成立から文化大革命の終焉と登小平の改革開放路線までは、労働者・農民は、経営的手段を学ぶ機会もなく、一方的な役人的指導により、労働させられた。これを使役という。その30年に失ったものの大きさは、多分これから現れるだろう。
人民は資本主義的な大恐慌とか不況というものの経験にさらされることもなく、また金融問題のリスクにもさらされることなく、教育されてきた。所有権の概念が中途半端であり、商業の慣習や法律体系も不十分のままだ。弱者救済という思想そのものがない。
なぜなら、共産党国家は弱者の打ち立てた国家で階級闘争を克服した建前だからだ。
弱者が救済を訴えることは、すべて国家への反逆ということになってしまうのだ。

この映像で表現された事柄は、ごく一部であると考えたとしても、日本のバブルの100兆円の規模の数倍の不良債権処理問題が起こるとなるとどうなるのだろう。
日本と中国のGDPが仮に1:2となったしよう。100兆円の処理に日本は20年かかった。ならば中国は100兆円の負債処理なら10年ですませられるかもしれない。
日本は20年経済成長は停滞したけれど、ひとりあたりのGDPは伸びていた。
中国のGDPは消費の占める割合が30%ほどのままだから、貿易額の現象と公共投資の減少が生じると、消費も減少して、GDPそのものが大きく縮小・減少してしまう。その影響は日本の不況感の倍以上になるかもしれない。
人民の貯蓄を食いつぶすまで、都市化を進めて、公共投資を行い、GDPの伸び率を維持することの数字作りに役人が走しる。そのうちにどれが本当の数字だかわからなくなる。
農地を金に変えて、ゴーストタウンを国内に作り出し、採算の取れない高速鉄道を作って、赤字をつくりだす。投資の金は人民が働いて稼いだ預金分だ。
銀行がこれ以上の融資ができないので、民間の金をかき集めて、非生産的な建物に投資して数字を作ってきた。

他人事ではなくて、日本の2000兆円の国債は、バランスが取れているのだろうか。資産と借金が一致しないと、国は破滅してしまう。
国民の金を集めて国際を発行しているが、その利息を国民に支払わないといけない。その利払いの分まで借金でまわしているのが現状だ。この問題は中国の将来を憂う問題以上に、日本にとって深刻だと思う。

いずれにせよ中国が、今の制度で2020年までは持ちこたえたしても、その後に来ることは、日本も中国も、アメリカもふけめて世界の大不況の嵐がふくかも知れないという嫌な予感がしてきた。
つまり中国の痛みを世界中が分散しあうことになり、そこから逃げ出せる国は、特に先進国の中には」いないということだ。そしてまた世界は同じような、文無しの国々となって、リセットされる可能性があるかもしれない。
そのリセットされた時の再出発の状態のときに、どれだけ有利な条件を持っているかということになる。
その有利な条件とは、それは環境・自然であろう。農地・河川・森林だ。
つまり、リセットされるということは再び人類は、動物的に生きていかなければならないわけで、日本が経験した敗戦時の状態、大震災時の状態が世界中におきて、そこから再び、新たな再生をするということだ。
そのときに人間らしく、文明を維持できるか、強いものがちの動物的生存になるのか、それが大きな違いとなって現れる・・・・・

思わぬ推測になってしまった。
中国が、このママで有りうることはありえない。その崩壊の影響を世界的規模で予測して、備える必要がある。そしてそ影響から日本だけは逃れれられるという発想は捨てないといけない。否応なしに影響させられるのだ。
そう考えて今世紀を読むことにしよう。