＊中国農村の土地収用手続き
「中国の憲法は農地について、農民が「集団で所有する」と定めるが、政府の開発のために土地を収用できる。国や上級政府などの許可を取り、農民の意見も聞いたうえで、政府の定めた地価などをもとにした補償金を農民に支払わねばならない。補償は収容前の３年間の年平均耕作収入の３０倍が上限だが、生活の糧である農地と引き換えに得る補償金の少なさに不満を訴える農民は少なくない。」
２０１３年８月２０日 朝日新朝刊の記事から考える。
記事には中国東北部・遼寧省鞍山市郊外の金胡新村で、警察とチンピラまがいの男たちに強制的に農民の家屋が壊されていくことから、農村の農地の収容の実態を明らかにする記事だ。（朝日は時々こういう記事も書く）
農地の土地の開発権を国有企業「鞍山鋼鉄集団」売り渡した。売却額は１７億元（２９０億円）。農民への補償金は１．７億元（１０％）。農民が訴えても勝ち目はない。鋼鉄集団も、行政ももめているのは農民の責任だと言い放つ。
こうした問題は中国全土で起きているという。
＜地方政府は過去の開発で借金が膨らみ、税収だけでは財政が立ち行かなくなっている。安価で土地を買い上げ開発業者へ高値で売って差益を得る「土地財政」に頼る構図がますます強まっている＞と記事は報告している。
・・・・・・・・・・・・都市化政策の名のもとに農地の収奪が行われている。
地方政府は、過去の経済成長を支えてきた仕組みが凝縮されている。
農地ｊは農民が「集団で所有するという憲法の規定は結果として官僚の許認可権に握られる。
官僚は共産党と結び、国家企業も党結び、「法的手段」より「こね」で物事が運ぶ。
農民は単純に収奪されるだけ。新聞では「人権意識に目覚めた」農民という言い方をしているが、はたしてそういいきっるか疑問だ。かれｒもまた「長いものに巻かれろ」「損得の問題」でしかないのだろうと思う。そこまで教育されていない。
この記事から言えることは、地方政府の財政破たんは土地を収奪することでさけられるかもしれない。ただ国営企業も収益のバランスが崩れてきており、その手当てする資金がシャドウバンキングによって支えられている。やはり矛盾だらけだ。
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私は中国や韓国と日本の近代化の道の違いを啓蒙主義の普及という観点でとらえようとした。
中国社会科学院日本研究所の崔世廣の論文「中日両国の近代啓蒙思想の比較」をネットで見つけた。
この論文についてはまたの機会に書きますが、日本の近代化の過程と自国の過程を比較しようという試みは多くなされているようだ。この論文はいいです。
でもこの崔教授にしても、<中国に於ける日本文化研究にとって、現実とは何であろう。私の理解では、それは第一、中国の社会主義現代化建設のことである>と言われる。
「日本文化の研究方法論」http://ijs.cass.cn/japanese/uploadfile/2010/0119/20100119052545755.pdf#search='%E5%B4%94%E4%B8%96%E5%BB%A3'
＜社会主義＞というイデオローギーに制約されているかぎり、学問の＜自由＞に制約が出てくるだろう。
＜人民社会＞＜社会主義国家＞の実現というスローガンが、国民の福祉・幸福とどのように結びつくのかということだ。これが、高い理想を掲げるイデオロギーのもとに建設される国家の実態だとすれば、あまりにもさもしい。
この現実の中國における法秩序、市場経済を無視したような経済行為が、何を目指して行われるものなのか、その目的とするところが見えてこない。
この国を突き動かす原理が何者であり、いかなる行動原理に基づいてかような現象が作り出されるのだろうか。＜近代社会＞とは外装だけで、その中身は旧態然としたままにあるのではないか。
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それにしてもこのように奪われた農地が増加した場合の農業の行く末はどうなるのだろうか。
（＊大型農業化；アメリカやオーストラリアのような農業の産業化は難しい。この矛盾をテーマに考えてみるか。）
それと農民層の将来、この格差・・・
根本的にこの社会制度にある大きな矛盾に突き当たることになるだろう。それをどのように乗り越えていけるのだろうか。
【禁聞論壇】最も反中国なのはどこか
http://jp.ntdtv.com/category/6212/%E7%A6%81%E8%81%9E%E8%AB%96%E5%A3%87