昨年度、私(鈴木)は静岡県立大学の教員特別研究費の助成を受け、能「羽衣」の絵本化に取り組みました。
「羽衣」は、静岡が誇る景勝地・三保の松原を舞台とする能の人気曲です。三保の松原は、ご存じの方も多いと思いますが、2013年に世界文化遺産構成資産に認定され、世界的にも注目を集めている地域です。
能そのものも2008年にユネスコによって無形遺産に認定されており、能「羽衣」は二つの世界遺産が縁を結んだ、極めて貴重なお話だと考えています。
この「羽衣」を絵本化すれば、静岡の子どもたちが地元の文化を知り、その文化を誇りをもって国内外に発信できるようになるのではないかと考えたのが、この「羽衣」絵本プロジェクトのきっかけです。
制作にあたっては、本文を私が担当し、能に興味の深い学生さん6名(折笠由樹さん、柏木早紀さん、加藤紗野さん、田村佳織さん、塚田野衣さん、山田那津子さん)が本文校正にあたってくれました。
絵画は、北九州市在住の絵描きさんであるなかおまきこさんが担当してくださいました。このブログのトップページも、「羽衣」絵本の絵をもとになかおさんがデザインしてくださいました。
そして、監修には、観世流能楽師、山階彌右衛門先生にご担当いただきました。山階先生は25世観世左近元正氏のご次男で、26世ご宗家観世清和氏の弟にあたられ、観世流シテ方として様々な舞台に出演しておられる他、学校教育や子供への古典普及に力を注いでおられます。
静岡の子供たちにも長年お仕舞を教えてくださっており、今回はそうしたご縁がもとで、絵本の監修を引き受けてくださいました。
また、本文の作成にあたっては、常葉大学短期大学部の宮本淳子先生、静岡大学の田村敏広先生に数多くの貴重なご助言をいただきました。
また、制作の過程で、本学経営情報科学部の西野勝明先生のご紹介で、羽衣ホテルの遠藤まゆみ様ともご縁をいただき、「羽衣」についての数多くのご教示をいただく幸運にも恵まれました。
絵本が完成するまでには、上記の方々をはじめ、たくさんの方のご協力・ご支援をいただきました。深く感謝いたします。
たくさんの方の思いのつまったこの絵本を、これから多くの方々に広めていければよいなと願っています。今後とも本企画にご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。