行末を激しく問いぬキリギリス 時実新子
たまたま手にとった雑誌からいきなりキリギリスが飛び出してきた。
しかもいきなり私を凝視する。わわわ、なになにーっと、面喰って立ち尽くして、
それが川柳との出会い。
以来十数年。まったくあの一匹のおかげで、行末がどう変わったか、
今ここ、こんなところを歩いて、こんなことをわくわくはじめようとしている。
こころを詠む川柳。こころに響く川柳。
もう川柳を充分に知り尽くしている方にも、
まったくはじめてふれる方にも、佳句・名句・問題作を
勝手に芳賀セレクトでお届けします。
今日の一句は『時実新子全句集』(大巧社)より。