全仮面ライダー大投票 | 直芯のブログ

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徒然なるままに、心に移り行くよしなし事を・・・

 『全仮面ライダー大投票』なるものをNHKで観たが、ウンザリして途中で観るのをやめた。私は平成以降の仮面ライダーが大っ嫌いで、昭和の仮面ライダー推しなのだが、そりゃ今の時代に投票を受け付ければ、最近の作品が上位になるのは当たり前である。一体誰が50年も前の作品を投票してくれると言うのだ? その辺の不利な要素を番組は考慮してくれない。
 昭和の仮面ライダーに票を入れてるのが圧倒的に古い世代だと言って馬鹿にするツイートが番組内であったが、この馬鹿にしてる若い奴は昭和の仮面ライダーも含めて全部観たのかと訊きたい。言わせて貰うが、古い世代は昭和の仮面ライダーも平成以降の仮面ライダーも両方観ているのだ。両方観た上で公正なジャッジをしているのだ。若い世代にこの公正なジャッジができているのだろうか?
 何より、昭和の仮面ライダーが当時どれほどのブームを巻き起こしたのか、若い世代は知らない。あまりに凄過ぎて、今の時代では例える物差しさえない。あの当時の熱気を知ったら、平成版の仮面ライダーなど比較対象にもならないのだ。
 人間というのはとかく忘れ易い生き物で、一時期とんねるずの『仮面ノリダー』が流行ったことがあった。あの当時、『仮面ノリダー』は本家の『仮面ライダー』を凌ぐ人気だとかほざいてる奴がいた。全然凌いでない! その証拠に、『全仮面ライダー大投票』にもし『仮面ノリダー』を入れたら、今の時代に果たして本家の『仮面ライダー』の投票数を凌ぐことができただろうか? 100%できないだろうし、ランキングにも入らないだろう。時代が変われば忘れられるものなのだ。それは平成版仮面ライダーでも今現在放送されている令和版でも同じ。
 私が平成以降の仮面ライダーが嫌いなのは、明確な理由がある。それは、私が昭和の仮面ライダーを観て育ったからでは断じてない! 大体仮面ライダーなど、中学や高校になった頃には、子供の頃に観ていた子供向け番組という認識で一蹴しており、大人になったらあんなくだらない番組など観るのも恥ずかしいと思っていた。
 私が大人になってから、テレビで『仮面ライダーBLACK』が始まった。テレビと同時にコミックでも連載が始まり、コミック版が昔の仮面ライダーより大人でも読めるレベルのクオリティだったので、じゃあテレビの方も観てみようかという感じで観てみた。
「くっだらねえ」
 これが率直な感想である。「あーあ、なんてくだらねえ。やっぱガキの観るテレビ番組なんだな」と私は思った。同じヒーローものでも、『バイオニックジェミー』や『アメリカン・ヒーロー』、映画なら007でも観ていた方がいいやと思った。
 そんな理由で『仮面ライダーBLACK』を観ることはなかったのだが、当時はレンタルビデオが流行り始めた時代で、まだそれほどソフトが発売されておらず、レンタル屋に置いてあるビデオをほとんど観てしまい、もう観るものがなくなって来た時、最後に『仮面ライダー』の第1巻が残っていた。他に観るものがないから、昔懐かしの『仮面ライダー』でも観てみるか、という具合で借りたのが始まりだった。
 昭和の一番最初の仮面ライダーを観た時、私は衝撃を受けた。「面白いじゃないか!『仮面ライダーBLACK』より遥かに面白い。いや、比較するのもヤボだ」と素直に感じた。
 それから昭和の仮面ライダーを改めてビデオで観て、その面白さを見直したわけであり、断じて私が古い世代だから古い仮面ライダーが好きと言ってるわけではないのだ! 子供の時に観た記憶など、幼過ぎて判断の材料にもならない。私が平成版仮面ライダーより昭和版仮面ライダーを推すのは、どちらもほぼ同じ時期に観て作品の完成度を判断しているに過ぎない。私から見て『仮面ライダーBLACK』以降の仮面ライダーは、くだらな過ぎて観てられないのだ。素直にそれだけだ。作品としてポンコツなのだ。
 もし平成以降の仮面ライダーがそんなに優れた作品であれば、古い世代の私だって素直に評価している。悪いけど評価できるレベルではないし、思い出にも残らない。魂に訴えかけるものは何もない。こんなものを面白いと言うしかない新世代は可哀想だと思ったほどだ。
 私だって平成版仮面ライダーを全否定しているわけではない。『仮面ライダー龍騎』ぐらいまでは一生懸命作ってあるし、アイデアも面白いと思った。ただ私が許せないのは、主人公が女みたいに料理が趣味だったり、女みたいにナヨナヨしてメンタルが弱かったり、同じ仲間同士で子供みたいにすぐ喧嘩したり、あるいは見栄っ張りだったり、女々しいことこの上ないキャラクターが耐え難かった。
 私にとって仮面ライダーのお兄さんというのは、成熟した大人だった。私は今でも子供の時に観た仮面ライダーその他の特撮ヒーローのお兄さんほど、人間的に成長できてないと思っている。未だに追いつけない。
 だが、平成版仮面ライダーの主人公達を観ていると、どいつもこいつも人間としておれ以下だと思ってしまう。
 そんな女々しい平成版仮面ライダーの中でも、『仮面ライダー響鬼』の主役、細川茂樹さんだけは素直に恰好良かった。昭和の仮面ライダーを彷彿とさせる恰好良さがあった。仮面ライダーのお兄さんとは、ああいう存在であるべきなのだ。
 私だって平成以降の特撮を全てけなしているわけではない。いいものがあったら素直にいいと評価している。例えば、平成以降のウルトラマンで言えば、素直にウルトラマンゼロの初期の作品は好きだし、平成版ウルトラセブンの作品群は素直に面白かったと評価している。平成だろうが昭和だろうが、ダメなものはダメ!それだけである。たとえ昭和であろうと、ウルトラマンタロウ以降のウルトラマンを私は認めてない(『ザ・ウルトラマン』は別)。
 その上で、とてもじゃないが『全仮面ライダー大投票』の投票結果は公正に受け入れられるものではなかった。
https://www.nhk.or.jp/anime/kamen-rider/ranking/