お待たせしました!
今年の夏休み工作体験は、パンフルート(葦笛)作りにいたします!
拙著「蜜ろう入門」(農文協)でも一項書いていますが、パンフルートはギリシャ神話に登場する牧羊神のパーンが作った笛です。
醜男のパーンは、大好きなニンフのシューリンクスに言い寄ろうと近づきましたが、怯えたシューリンクスは川に飛び込み、葦に変身してしまいました。パーンはその葦を何本か切り取り、蜜ろうで付け合わせて笛を作り持ち歩き吹き鳴らしていたそうです。(詳細は下記を)
ですから、葦笛のことを「パンフルート」とか「シュリンクス」と呼ぶのだそうです。
ちょうど、「蜂のおうち作り」ワークショップ用に収穫していた葦があるので、これを使って作ってみましょう。
日 時 7月27日(土)午前9時〜11時頃
※エアコンがないため早めに始めます
参加費 2000円
対 象 小中学生の親子 先着4家族
申込み ハチ蜜の森キャンドル
電話0237-67-3260
メールmitsurou☆alto.ocn.ne.jp(☆を@)
◎ギリシャ神話「牧羊神パーンの葦笛」
初めて蜜ろうを使ったのは、ギリシャ神話に登場する牧羊神のパーンだといわれているそうです。
醜男のパーンは、シューリンクスという美しいニンフを見初めていました。そして、たまたま森の小道で出会ったときに言い寄ろうと近づきました。怯えたシューリンクスは風のように逃げ出し、ラドーン川に飛び込み、川に棲むニンフたちに「私の姿を変えて、パーンの魔手から守ってください」と頼みました。パーンがシューリンクスをとらえたと思った瞬間、彼女は葦の葉に変身してしまいました。パーンはその葦を何本か切り取り、それを蜜ろうで付け合わせて笛を作り、シューリンクスと名付け、持ち歩き吹き鳴らしていたそうです。
長さの違う管を束ねて作る笛のことをパンパイプと呼ぶのはパーンの名前が由来だったのです。葦の笛といえば、私は南米アンデス地方の民族音楽であるフォルクローレに使われる「サンポーニャ」という笛を思い出しました。民族楽器が大好きな私は安物を手にいれたことがありましたが、使っているうちにバラバラになり、直せず捨ててしまった経験があります。たしか2本の棒と糸で固定してありました。
葦もまた、家の近くにたくさんあります。リベンジの意味もこめて、本当に蜜ろうで固定できるかを試してみました。葦を、サンポーニャのように少しずつ違う長さに5本切って並べ、熱したナイフに蜜ろうを当てて溶かし、葦と葦の間に注いでみました。溶かした蜜ろうは、熱いうちに付けるとしっかりくっつき、ぬるいと剥がれる性質があります。葦は想像以上にしっかりと固定され、振り回しても外れることはありません。それどころか、手で強引に外そうとしても剥がれませんでした。
葦が細いためか、作りが雑なせいか、かすれていい音色は出せませんでした。でも、なんだか、思いを伝えられなかったパーンの寂しさは十分伝わってきた感じ気がしました。