昔の事を思い出しました

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若い方には、好きな事をやったり、得意分野を伸ばして元気に一生を送って欲しいとお話する事が多いのですが、高齢者の方も同じだなと思い出すことがありました。

 

カウンセラーなんて名乗る前は、介護の世界に身を置いていたのですが、結婚する少し前にある介護施設を辞めて家政婦さんのようなお仕事をしたことがありました。

 

近所に住むお金持ちのAさんとお話している時に仕事を辞めたことを話したら、「介護ができるなら、うちの主人の面倒を見てよ」と言われたことが切っ掛けでした。

介護施設では、一人で10人~20人と介護をしなくてはいけないのですが、これですと一人の介護をするだけで○〇万円も貰えるし悪くないと思って引き受けたんですね。

 

それで、Aさん宅に初出勤してみると、面倒を見て欲しいと言っていたご主人というのは、別に寝たきりでもなく至って普通の方に見えたのですが、大きな病気を抱えてらして、いつ亡くなってもおかしくないと病院で言われたそうです。

 

そんなわけでしたので、当初はオムツ交換とか食事の介助がメインになるのなかなと想定していたのですが、実際は通院の付き添いやAさんがおられない時に食事を作ったりと、施設働きの頃に比べると本当に楽でした。

 

そんな風に働いていて、1週間くらいしたころだったかな…ご主人が「勝手口に続く通路の整備をしたい」と相談してきてくれました。

 

 

どうして勝手口に続く通路の整備をしたいのかと尋ねると、Aさん(奥さん)は余り玄関を使わないで、家の出入りは勝手口からするのですが、整備されていない砂利道でしたので「あいつも歳だから、いつ転ぶか分からないので、死ぬ前に直してやりたいと思って」と奥さん思いの発言をされていたのを思い出します。

 

そんなわけで、Aさんに事情をお話したら「いつ倒れるか分からないから駄目」との事でした。

まあ、奥さんの立場からすれば至極当然ですが、それでもご主人は勝手口通路の整備が凄く気がかりだったんでしょう。

毎日のように「なあ、小林さん…あの通路なんだけど、一緒に直してくれないか?」「なあ…うちの奴を一緒に説得してくれよ」と口癖のように言ってきました。

 

そんなこんなで、1か月くらいした時だったかなあ…ある時Aさんが私を呼び出して「好きにさせた方がいいのかしらね…万が一に備えて一緒にいてもらってもいい?」と渋々でしたが、勝手口通路の整備をしても良いと許可してくれました。

 

ご主人、凄く喜んでましたね…早速ホームセンターに車で買い出しに出かけて、敷石を大量に買って、溝を掘ったり敷石を敷いたりする日々が始まりました。

 

当然ながら病気を抱えた高齢者が主役になってできる事でないので、ほとんどは私が行ったのですが、ご主人もできる範囲で一生懸命作業されており、その時の笑顔というか表情は今でも忘れられないですね。

 

そして、ついに完成して勝手口周りの通路が高齢者でも安全な通行が確保できたのを確認した時、ご主人が「小林さん、私は本当満足だよ。これなら、うちの奴が転ばないで歩けるよ。俺も安心して死ねるよ。」と言ってくれたんですね。

 

結局その後、半年くらいしてご主人は亡くなられたのですが、あの時「病気があるから止めましょう」と言っていたら、ご主人の晩年は満足だったのかなと思うんですよね。

 

きっと、あの笑顔も見られず、ただ毎日思いだけを大きくして「勝手口の整備を一緒にしてくれ」と懇願するだけの日々だったと思います。

 

若い方だけでなく、高齢者の方にも心の向くままに、誰かの手助けを借りてでもやったほうが、少なくとも元気に生き甲斐を持っていただけるのかなと思います。

 

あの時、ご主人とのやり取りを通して「やりたい事をやっている人は、生き生きと元気であること」を、私は既に学ばせてもらっていたんですね。

 

ちょっと、亡くなったご主人の夢を見て思い出してので書いてみました。

今頃、天国とやらで何をしているんでしょうかね…元気にやってくれていればいいのですけどね(笑)

 

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