ハチの○○な話 -7ページ目

『未来へ』あんな事やこんな事。~第五章~

5.私の夢


私の夢は、写真を通して、子供達を救う事です。

将来に対する不安、自分に対する不安、周囲に対する不安。

みんなが抱えている不安を少しでいい。
楽にしてあげたい。

二度と私の様な生き方をする人を見たくない。

人は、必ず死にます。

その時に、「人生は最高だった」「すげぇ楽しかった」って、
大切な人に伝えて欲しい。

だから、私は絶対に諦めない。

夢は諦めなければ必ず叶うという事実を、
不安になることなんて何もないっていう現実を、
私の人生を賭けて、証明します。

世界中を笑顔で満たす為に。


終わり。


チャンチャン。

『未来へ』あんな事やこんな事。~第四章~

4.死の淵で見えたもの


私は救急車で病院に運ばれた。
・・・が、結果は4つの病院で受け入れ拒否。
体中が激しい痛みに襲われ、私は声も出せないし目を開けることも出来ない。

やっと受け入れてくれる病院が見つかり、お医者様が何かを話している声が聞こえた。
「お母様を呼んで下さい。死亡する可能性があります」
その声は、凄く静かで、凄く強くて、ずっと私が待っていた言葉だった。

『死亡する可能性があります』

この言葉を聞いたとき、ずっと待っていたはずだったのに。
ずっと心では望んでいたはずの言葉だったのに、

「死にたくない」

そう思った。

私は今まで何をしていたんだろう。
私は今まで何がしたかったんだろう。
まだ、何もしてない。

家族に、ありがとうって言ってない。
家族に、楽しかったって言ってない。

家族に心からお礼が言いたかった。
「楽しかったよ」って。
「ありがとう」って。
「俺の人生は最高だったよ」って。
そう、伝えたかった。

でも、やっぱりウソは言いたくない。
本当に、私は今まで何をしてきたのだろう。

いつもお金の事ばかりで「お金」、「お金!」って。
結局、最期まで家族に何も言えないなんて。

でも、これが私がこれまで生きてきた結果でした。
その現実を感じたとき、心から1つの感情が産まれました。

(死にたくない・・・・・・)

家族に「ありがとう」って言うまでは。
家族に「楽しかった」って言うまでは。
「オレは最高だって」心から伝えるまでは、、、

『オレは絶対に死なない!』

生きて、必ず人生を最高のものにしてみせる。
好きな物もなくて、好きな事もなくて、好きな人もいない人生は、凄く寂しかった。
ずっと1人だったから、本当は凄く寂しかった。

―――そして私は、生き延びました。

入院中に、幼い頃に楽しかった事や、憧れていた物を必死に思い出そうとしました。
それは、想像以上に難しくて、中々思い出せなかったけど、覚えていたことが2つありました。

それは、【写真を撮ること】と【ヒーローになる事】。

そのとき、私の中に、ずーっとあった不安な気持ちがスッと無くなりました。
凄く不思議な感覚だった。

あんなに執着してきたはずのお金に対する欲も無くなりました。
それどころか全く不安を感じない。

私の夢が、見えた瞬間です。


続く。

『未来へ』あんな事やこんな事。~第三章~

3.平凡の中にやってきた違和感


それから寝る時間がないくらい働いて、営業書や心理学の本を買い漁り、一生懸命に勉強した。
いっぱい勉強して営業成績を伸ばして「お金持ちになりたい」
ただ無心で働くようになった。

この時も喜怒哀楽はもちろん交渉の手段であり、お金を稼ぐ為の建前にすぎなかった。
次第に給料も増えていった。自分の生活でお金に困ることがなくなった。
でも何故か「不安」な気持ちはいつまで経っても消えなかった。
「まだお金が足りないんだ」
そう思って、それまで以上に働いた。
もっともっとと本を読んで勉強をした。

そしてとうとう、不安な気持ち以外、何も感情がなくなった。

もう家族にも堂々と会えるし、貯金もできたし、皆に美味しいものを食べさせてあげられるのに。
私の中には何もなかった。

そんな生活の中で、私は体の異変に気がついた。
「お腹に違和感がある」
でも、仕事の予定が忙しく、私は体の違和感に気付かないフリをして働いた。
そして、だんだんと、お腹の痛みが増してきて、私は4日後には息をするのも辛い状態になった。

お腹の色は、紫色に変色し、妊婦さんのように膨らみ、熱も40℃を超えた。
私はもう我慢ができなくなった。立つ事さえ出来ない状態だった。
ただただ、使命感だけにまとわりつかれたように蹲った。。。


続く。