301)「白鬚」関連その2 | 峠を越えたい

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戻るより未だ見ぬ向こうへ

 「しらひげ神社」は東京の下町に限っても、幾つも存在することを知りました。何故その複数に拘るかというと、『木根川橋』(by さだまさし)に現れる「白鬚神社の縁日」会場は隅田川の流れに近い場所ではないかも、という疑問です。ではMicrosoft Bing地図を。

 Google地図ではもっと広い範囲を。

 

  京成押上線が荒川を渡る僅か下流の橋が木根川橋、中川が荒川と綾瀬川に東側からくっついて来ている直ぐ北側が木下川薬師(浄光寺)でした。渋江白髭神社(客人大権現)が歌の言う「白鬚神社」であれば、木根川橋、白鬚神社、木根川薬師がこじんまりとした地域にまとまるんです。(向島)白鬚神社は下町のこの界隈からすると少し離れているのではないかと感じます。尤も曳舟、押上、浅草までチャリンコ転がして行けば、歩くより子供たちの行動範囲はずっと広がりますが。どうも歩いて巡った気がしてなりません。渋江白髭神社は「髭」が使われ、「白鬚」ではないじゃないか、という理由は、植木市の実際盛んな「木下川薬師」に「木根川薬師」を用いたところを見ると、成り立ちそうもありません。渋江白髭神社も縁日が盛んだと言うことです。しかし四つ木白鬚神社も縁日が盛んだったらどうしましょう。

 “青砥駅付近から木根川橋付近まで一直線に伸びる”水道路が、荒川を渡って墨田区側まで続いておらず、葛飾区側だけの水道路であったならば、“木根川橋から水道路抜けた白鬚神社”にピッタリのような気がするんですが。以上何とか想像を膨らましました。さだまさし氏に尋ねれば瞬く間に解決ではあります。

 ここで大間違いに気付いて良かった。『木根川橋』の歌詞の中では「白鬚神社」でなく「白髭神社」が使われています。ならば墨田河畔の白鬚神社より(渋江)白髭神社の方が益々優勢です。

 “ひげ【髭・鬚・髯】

   ①     口の周辺や頬にはえる毛。鼻下のものを髭(くちひげ)、顎のものを鬚(あごひげ)、頬のものを髯(ほおひげ)

……………”(日本国語辞典、小学館)。

 3つの漢字で意味を分けるようです。そうすると「髭の意休」は口ひげを生やしていたのでしょうか。東宝映画の『花のお江戸の無責任』では、主演の花川戸の助六役が植木等でした。「髭の意休」に扮する進藤英太郎は立派なあごひげを蓄えていた気がします。「鬚」のほうが相応しいのでは。この映画で出て来た「花川戸の助六」によって花川戸という地名とその花やか感を記憶したようです。

 白髯神社とは書かれそうもない白鬚神社(白髭神社)は全国に沢山存在します。その総本山(神社の場合はどう言うのか)は滋賀県高島市にあるそうです。『近江最古の大社 白鬚神社』サイト曰わく、“ 白鬚神社は古くから延命長寿白鬚の神として広く崇敬され、また縁結び・子授け・福徳開運・攘災招福・商売繁盛・交通安全など人の世の総ての導き・道開きの神として信仰されてきました”。

 人の世の総ての導き・道開きの神ならば全国から勧請を希望するでしょう。