その日、旦那の友人宅に用事しに行くと言い、19時頃に家を出た。


行くと話が長くなるのを知っていたので、好都合だった。


彼との約束は21時。時計ばかり気にしていたのを覚えている。


コンビニの駐車場で待ち合わせたが、週末とあって、いっぱいだった。


パッと24時間営業の釣り具屋が浮かび、メールで知らせ、そこの駐車場にきてもらった。


私のことを「姫」と呼んでくれてたM。ついにその時がやってきた。


先に車を停め、心臓が飛び出そうなくらいドキドキしながら車を降りた。


少し離れた所。駐車スペースに停めず、ヘッドランプの中に彼がいた。


少し彼の方に進むと「姫?」と聞かれた。


頷くと小走りに彼がやってきて、一目散に私を抱きしめた。


「逢いたかった」


有言実行した彼を確信した。やっぱりメールだけじゃなく彼が大好きだと。


息をするのも忘れるくらい抱きしめられた。


何分間抱きしめられていただろう。彼から離れた。


離れてもすぐにまた抱きしめられ、今度はキスされた。長いキスを何回も何回も‥


誰かが見ていたかもしれない。ただのバカップルだと思われたかもしれない。


彼にとって、私はPrincess。


ドラマのような時間だった。