そうでもないかと思ったけれど、やっぱり寒い。

常設展という括りではないけれど、収蔵品を展示しているという意味で、自称常設展マニアであれば見逃してはならない。今回はいきなり森村さんから入ってビックリしたけれど、シンディ・シャーマンに扮した作品があって、ハッとさせられた。なんだか、すべて見知ったような気でいたけれど、これは観たことがなかったように思う。とてもいい空気をまとっていた。千種掃雲さんの生誕150年、没後80年ということで収蔵作品でその画歴を概観。すごく繊細な動物の絵があって、日本画的だなぁと思いながらも、人物のデッサンが表れて洋画の雰囲気も流れこんできて、とても不思議な風合いになってくる。掛け軸に描かれている人々の身体が立体的で描線が全体に太く肉厚。そうなるとちょっと日本画っぽくなくなるので、掛け軸に不似合いな印象も。だけど、その不似合いな感じがとても新鮮。いろんなものを吸収して、いろんなものを試した結果として、こんな世界を生み出したんだと思うと、大変なこともあったとは思うけれど、楽しかっただろうなぁと思う。誰かが歩んだ道ではなくて、手探りで進んだらなんとなく道ができていた、みたいな感じだろうか。そして、本当に多作。前期と後期に分かれているようだから、もっとあるということなんだと思うとびっくりする。そして、よくここまで集めたなと。丁寧に分析して、これからにつなげていってほしいと思う。生誕130年の川端弥之助さんは、なんとなくどこかで拝見したことのあるような印象だけれど…。そして、自画像好きでもあるので、川端さんの自画像もなかなかいい風貌で、少し気取った風に見えるのはなんでだろう。自画像ってそういうものがちらちら見えて面白い。そして、工芸作品も収蔵しているのでそちらも拝見する。やっぱり漆はいいなぁと思う。こちらは初めて訪れたけれど、とてもコンパクトで観やすかった、また機会があれば。4階からの眺めも気持ちよかった。天気が良かったらもっと楽しめただろうけれど。

そろそろ京都気分も抜けてきた、かな。