離婚する時に親権者となった母親(もしくは父親)が死亡した場合、民法838条の規定により後見が開始します。

 

その時、親権者とならなかった父親(もしくは母親)が、母親(もしくは父親)が死亡した事実を知り、民法8196項の規定により親権者変更を家庭裁判所に申し立てた場合はどうなるのでしょうか。

 

親権者変更ができないとする後見開始説、後見が開始された後でも後見人が選任される前であれば親権者変更ができるとする制限回復説、後見人が選任される前でも後でも親権者変更ができるとする制限回復説、親権者変更ができるとする親権当然復活説などの説がありますが、未成年後見は親権を補う働きがあること、誰もが親権者として監護教育を行った方が良いと感じていること、家庭裁判所が親権者に対して行う適正審査が子どもの利益につながることなどから、無制限回復説が主流とされています。

 

しかし、親権者変更ができるとしても、「子の利益のため必要があると認めるとき」という要件に該当しなければ家庭裁判所は親権者変更を認めません。監護の実績や子どもの意思が尊重されるのです。

 

判断の結果、親権者変更が認められなかったとしても、生きている(離婚時、親権者とならなかった)親は、その後も子どもとの交流をはかり、親としての義務を果たしていく中で、親権者変更が認められる環境を作り、準備していくことが大切です。

 

そのような努力を積み重ねていくことが、結果として片方の親を亡くした子どもの心の穴を埋めることになり、子どもの利益に繋がるからです。

 

法的な問題を解決することは大切ですが、子どもの心の問題を解決することはさらに大切だと思います。