子が親権を持つ母親(もしくは父親)の再婚相手と養子縁組し、実親と養親の共同親権に服している場合には、親権を持たない父親(もしくは母親)が、家庭裁判所に親権者変更を申し立てても認められないことが多いです。

 

この点、最高裁は、『民法819条は,1項から5項までにおいて,子の父母が離婚する場合等には,子は父又は母の一方の単独の親権に服することを前提として,親権者の指定等について規定し,これらの規定を受けて,6項において,親権者の変更について規定して,親権者を他の一方に変更することができるとしている。このような同条の規定の構造や同条6項の規定の文理に照らせば,子が実親の一方及び養親の共同親権に服する場合,子の親権者を他の一方の実親に変更することは,同項の予定しないところというべきである。』と判示し、子が実親の一方及び養親の共同親権に服する場合,民法819条6項の規定に基づき,子の親権者を他の一方の実親に変更することはできないとしています。

 

しかし、ニュースでよく取り上げられる「養親による子への虐待」があるような場合でも、親権を持たない親への親権者変更は認められないのでしょうか。

 

この点についても、最高裁は、『親権者による親権の行使が不適切なもので子の保護の観点から何らかの措置をとる必要があるときは,親権喪失の審判等を通じて子の保護を図ることも可能である。』と判示し、親権停止もしくは親権喪失を求めることとしました。

 

虐待という大きな問題を解決するために、親権を持たない親は、最高裁の示す通り、親権停止もしくは親権喪失を求め、自らが親権者の職務代行者に選任されることを求めることもできますが、子と養父との離縁を求め、親権者が単独親権になった段階で、親権を持たない親への親権者変更を求めるということもできます。

 

虐待から子どもを救うには、親だけではなく、すべての機関が対策を考え、協力することが重要ですが、何より柔軟な姿勢で臨み、素早く動くことが子どもの身の安全につながるのだと思います。