協議離婚をした際、夫婦の間で、「父親が、子どもが18歳に達する月まで月額5万円の養育費を支払う」という合意が成立しました。

 

その後、父親側は、再婚し、再婚した相手との間に子どもを2人儲けたという事情が生じ、母親側も、再婚し、子どもが再婚相手と養子縁組を行った、再婚した相手との間に子どもを1人儲けたという事情が生じています。

 

このように養育費を合意によって定めた後、当時では予測できなかった事情が生じている場合は、養育費の変更を求めることができます。

 

父親は、自分の子どもが母親の再婚相手と養子縁組を行ったこと、自分が再婚した相手との間に子ども2人を儲けたことを理由に減額請求できたのですが、合意した通り「子どもが18歳に達する月まで」支払い続けました。

 

本来なら、父親は、養育費の支払い義務を果たしたので、その後、養育費が問題となることはありません。

 

しかし、母親が、子どもの大学進学費用を捻出できないため、父親に対し、子どもが22歳に達する月まで引き続き月額5万円の養育費を支払うよう求めて調停を申し立てたため、新たに養育費の問題が発生、裁判となりました。

 

裁判所は、この問題について「本件合意後、未成年者と妻の再婚相手との養子縁組、夫の再婚および子の誕生という本件合意に定められた養育費の分担義務を減免させるような事情変更が生じたが、これらについては、当事者間において一切考慮されず、その結果、夫は妻に対し、本件合意通りの養育費分担額を支払い続けたものである。このような本件合意後の経緯に照らせば、未成年者の大学入学やその準備に費用を要することをもって、本件合意による養育費分担義務の終期の定めの延長を認めるべき事情変更があったとみることはできない」との判断を下しました。

 

養育費を最後まで支払う父親が少ないという調査結果が出ている今日、この父親が、自分の子どものことを思い、やればできたかもしれない養育費減額請求手続きをすることなく、約束通り最後まで養育費を支払い続けたことはとても素晴らしいことだと思います。

 

裁判官も、このような真面目な父親の行動を考えたうえで、当事者間の公平を図ったものと思われます。

 

養育費は、親の子どもに対する愛情表現でもあります。

どうか最後まで愛情表現し続けて下さい。