こんにちは、カピバラ好き行政書士の石井くるみですクマムシくん

暦も3月に入り、温かくなってきましたね晴れ

寒さが苦手なカピバラ好き行政書士は春の訪れを嬉しくを感じますルンルン

 

さて、この日曜日3月4日朝、放送されたフジテレビ「新報道2001」民泊特集。

 

民泊新法と新旅館業法が同時に施行される6月15日以降に何が変わるのか!?

次の画面(右下に表示)のとおり、番組内容を法律面から監修しました下矢印

 

 

 

大阪・民泊監禁事件を巡って錯綜する情報

今回の新報道2001における民泊特集は、大阪の違法民泊施設における監禁・殺人事件がきっかけに!

 

この事件を巡っては、法律面での正確な理解がなされないまま、いたずらに民泊の不安・危険性を煽ったり、大阪市が事件現場だったことを理由に、民泊適法化のための様々な施策を講じてきたにもかかわらず、同市の対応が批判されたりと、偏った情報が報道されている印象を受けますショボーンタラー

 

そこで今回のブログでは、新報道2001の内容を深掘りする形で、錯綜する情報を整理していきたいと思いますお願い

 

宿泊者名簿の作成義務 … 旅館業の営業者 vs 無許可で旅館業を営む者

まずは次の毎日新聞の記事を読んでみましょう下矢印

 

(2/25毎日新聞)大阪・女性監禁

ヤミ民泊 名簿不要 不明女性は英語堪能

東成区の監禁現場とみられる部屋は、オーナーの親族が空き室を1室だけ改修し、旅行客を泊める民泊として使われていた。大阪市によると、このマンションは国家戦略特区を活用した民泊制度の認定や旅館業法の許可を受けていなかった。西成区の施設も1月末段階で特区の認定を受けていなかった。合法な民泊では、宿泊者名簿の作成やパスポートの確認が義務付けられているが「ヤミ民泊」なら不要のため、トラブルが懸念されていた。

 

宿泊者名簿の作成やパスポートの確認が「ヤミ民泊」なら不要と書かれています。

この記載は誤りではありませんが、非常に誤解を招きやすい表現ですびっくり

 

宿泊者名簿の備付け等に関する、旅館業法第6条の条文を見てみましょう。

 

旅館業法 第6条

 営業者は、宿泊者名簿を備え、これに宿泊者の氏名、住所、職業その他の事項を記載し、当該職員の要求があつたときは、これを提出しなければならない。

 

ここで「営業者」とは、旅館業法に基づく営業許可を受けた者をいいます。

 

新聞記事にある「ヤミ民泊」とは、旅館業法に基づく営業許可(又は特区民泊の特定認定)を受けずに、無許可で旅館業を営んでいる者及びその施設を指すと考えられます。

 

宿泊者名簿の備付け等は、営業者にのみ課せられた義務であるため、旅館業を無許可で営む者(無許可で民泊を営むホスト)には、確かに、旅館業法に基づく宿泊者名簿の備付け等の義務はありません。

 
しかし、それは「ヤミ民泊」では宿泊者名簿を作成する必要がない、という意味ではなく、そもそも旅館業を無許可で営むことは旅館業法で禁止されているため、旅館業を無許可で営む者に対する営業上の義務を課していないだけの話です。
 
別の言い方をすれば、旅館業を無許可で営む者に対する法の要請は「きちんと宿泊者名簿を作成しなさい。」ではなくて、「今すぐ無許可で旅館業を営む行為をやめなさい。」となります!!
 
 
前述の新聞記事も、例えば、次のような書き方にすれば、誤解を招く可能性が低下するでしょう。
 
合法な民泊では、宿泊者名簿の作成やパスポートの確認が義務付けられているが「ヤミ民泊」には法の規制が及ばないため、トラブルが懸念されていた。

 

 

届出により、旅館業を無許可で営む者 から 「住宅宿泊事業者」に

 

6月15日に、住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されます。

 

これまで旅館業を無許可で営んでいた者は、都道府県知事等への届出をすることで「住宅宿泊事業者」となり、自治体の条例で制限されている場合を除き、年間180日を上限として民泊を営むことができるようになります。

 

「住宅宿泊事業者」には、住宅宿泊事業法により宿泊者名簿の備付け等が義務付けられます。

 

住宅宿泊事業法 第8条

 住宅宿泊事業者は、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより届出住宅その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める場所に宿泊者名簿を備え、これに宿泊者の氏名、住所、職業その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項を記載し、都道府県知事の要求があったときは、これを提出しなければならない。

 

住宅宿泊事業法は、年間180日以下の民泊を「許可」よりも緩やかな「届出」で可能とすることで、旅館業法の許可を取得していない民泊ホストに、民泊を適法に営む機会を与えています。

 

住宅宿泊事業法の施行を機に、旅館業を無許可で営む者が「住宅宿泊事業者」となれば、民泊に法の規制が及ぶようになり、宿泊者名簿の作成やパスポートの確認といった措置の実効性が担保されることになりますおねがい

 

 

無届出の場合は厳しい取締りと罰則の対象に

 

それでは、6月15日以降に届出をしなかったらどうなるのでしょうか?

 

住宅宿泊事業法と同時に施行される新・旅館業法により、6月15日以降は次の2つが変化します!

 

①無許可の民泊施設に対して、行政職員の立入検査が可能に

②無許可の民泊営業に係る罰金が、3万円から100万円に引き上げに

 

①について、現行の旅館業法では、旅館業法の許可を得た施設に対する行政職員の立入検査や報告徴収を認めていますが、無許可の施設に対しては同様の措置は認められていません。この制度欠陥が、無許可民泊の実態把握を困難とする一因となってきました。

 

新・旅館業法により、無許可の施設に対する行政職員の立入検査や報告徴収権限が付与される結果、行政による無許可民泊の把握が容易になることが期待されます。

 

ここで、大阪・民泊監禁に関する、最近の新聞記事を見てみましょう。

 

(3/3毎日新聞)大阪・民泊監禁

規制議論直撃 大阪市、「ヤミ」1万件超

 行方不明だった兵庫県三田市の女性(27)が切断遺体で見つかった事件は、容疑者の男が遺体を損壊・遺棄したとされる場所が大阪市東成区や西成区の「ヤミ民泊」だった。違法な民泊の実態は不明で、大阪市内だけで1万件超ともされ、身元確認が甘ければ、犯罪の温床にもなりうる。民泊規制を巡る議論にも影響しそうだ。

 営業区域や日数を厳しくしないことで正規参入を促したい大阪市に対し、市議会側は規制によって対処すべきだと主張する。ヤミ民泊を減らそうという目的は同じだが、考え方の隔たりは大きい。

 「きちんと管理できる状態にするのが市の役割。規制でガチガチにすると違法民泊はこれからも増える」。吉村洋文市長は規制強化は不要との見解を述べ、松井一郎大阪府知事も「民泊そのものが悪いわけではない」と同調した。

 大阪市内で民泊を営むには現在、旅館業法の簡易宿所の許可か、国家戦略特区を活用した認定が必要だが、事件現場とされる2施設はどちらも受けていなかった。6月施行の住宅宿泊事業法を受けた市条例案は近隣住民への事前説明を義務付けるが、営業区域や日数は制限しない。事件は市議会で条例案を審議中に起きた。

 大阪市の特区民泊の認定室数は1月末時点で1341室。特区民泊を導入している東京都大田区など6自治体の中で突出して多い。最低宿泊日数を「6泊7日」から「2泊3日」に短縮したことや、好調な訪日外国人(インバウンド)の増加などが要因とみられる。

 市議会の自民、公明の2会派は2月23日、条例を修正し規制すべきだとして吉村市長に申し入れた。自公案は、小中学校や保育所の周囲100メートル以内や住宅密集地などは禁止すべきだとしている。大阪維新の会は一定の規制が必要だとの立場で、吉村市長と一線を画す。【椋田佳代】

 

特区民泊条例の施行等、大阪市がこれまで進めてきた、民泊を法の規制下に置くための施策は高く評価されるべきでしょう。

 

あえて大阪市の問題を指摘するとすれば、同市で多数のヤミ民泊が放置されている点が挙げられます!

 

(注)もっとも、宿泊施設の稼働率全国1位の大阪には、他の自治体に比べて圧倒的多数のヤミ民泊が存在し、前述の立入検査権限等がない状況では、行政によるヤミ民泊の実態把握すら困難だったという事情も考えられます。

 

松井大阪府知事や吉村市長が言うように、違法な民泊が問題なのであって、適法な民泊を制限する規制は、かえってヤミ民泊を増やすことにつながりかねません。

 

大阪市に限らず、各自治体の議会では、旅館業法や住宅宿泊事業法等に基づく適法な民泊を規制することではなく、ヤミ民泊をいかに根絶するかの議論が行われることに期待したいですおねがい!

 

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