インカレの悔しい結果を引きずったまま、足速に夏が過ぎ去っていきました。

8月末に国体近畿ブロックを終え、1日から家族でグアム島へ。
9月3日に長女が挙式.
初めてバージンロードを歩きました。
花嫁の父は、足を間違わないで出すことが気になり、この緊張感のため涙はなし。
母親は娘にベールをかけてやる時、既に涙が。
この時、我が子の成長を喜ぶと共に、私の人生のページも一枚がめくられたんだなと感じました。
肩の荷が少しおりた感じと同時に、さらに人生の終わりに少しずつ近づいている実感も増した気がします。
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帰国翌日の9月5日には体操部が集合、クラブの夏休みも終わり練習を再開。
翌6日にはスポーツクラブ武庫女の教室も再開し、13日には西宮市大会を運営。
大会を終えたその日に福岡の全日本シニア選手権大会のため小倉に飛んでいきました。

こんな慌ただしいスケジュールに追われつつも、まだインカレを引きずっていました。
そんな、心の中吹いた秋風を吹き飛ばしてくれたのが、卒業生たちの全日本シニア選手権大会2部優勝でした。

これまで全日本社会人と呼ばれていた大会が新しく法人化し、その名前も変更され全日本シニア選手権大会に変更されました。
一部はコナミスポーツの内村君を始め世界のトップ選手が技を競い合う競技会ですが、2部の大会は体操愛好家たちの和気あいあいとした試合となっています。

武庫川女子大学の卒業生たちで作った体操クラブ「輝操会(きそうかい)」は故行森先生より戴いた応援旗にある「今だ輝け 体操武庫川」の”輝く”という字と体操の”操る”という字を合わせて名前をつけたOG会です。

今回のチームメンバーは、五藤佳奈(32)、秋山絵美里(28)、松原由佳(29)、芹澤亜衣(27)の4人。他のチームからも中嶋亜弓(23)も参加。
五藤は今回でなんと10回連続の出場でした。
どんな大会でも優勝するのは大変なことです。そんな中で、4年連続優勝を成し遂げてくれたことは快挙というしかありません。





私が武庫川女子大学に勤めるようになって33年。
この間の夢は多くの国際大会で活躍する選手を育てることも当然ながら持っていましたが、もう一つさらに大きな夢は”ゆりかごから墓場まで、体操を愛する仲間が集い合える場を作る”ことです。
多くのスポーツを愛する人たちで武庫川のキャンパスが賑わい、笑顔と歓喜で溢れている。そんな光景を見たいということでした。

この30数年間、小学生から大学生までを指導し、今年からは幼児教室まで始めました。附属中高の体操部も監督をして、色んな大会に参加するようにもなりました。
しかし、体操文化の奥深さを感じるほどに、生涯スポーツとしてのあり方を考えるようになりました。体操をするのが楽しい、新しい感覚にであえるのが好き、自分の可能性に挑戦し達成した時の喜びを味わいたい。人それぞれ体操とのつき合いかたは様々だが、同じように感じている仲間と一緒に体操場にいることが楽しい、ここにいると落ち着く、と感じられる人間を育てたい。仕事帰りや休日にひょっこり体操場に顔を出してくれる先輩を増やしたい。そんなことを考えるようになりました。

最初の15年間くらいは厳しい指導のせいか、なかなか体育館に顔を出してくれる卒業生は少なく、まして社会人の大会に参加する者もほとんどいない状態でした。
東京女子体育大学や筑波大学の卒業生や先生たちも体操を心から愛しているという想いを伝える伝統があるのか、多くの卒業生が大会に参加していました。
今も、多くの選手が参加しています。もちろん先生方も引率や応援に来られています。
一方、日体大は一部に競技で出ることはあっても、女子が2部に出ることは多くありません。
男子は、沢山参加しているのにね。
そんな他の大学の姿を見るにつけ、武庫川にもそんな校風が芽生えれば良いなと願っておりました。

その原因は競技中心の私の指導にあると気づいてからは、指導法を180度転換しました。当然競技をやる以上勝負には勝ちたい。
しかし、それ以上に大切になことは、学生が主体で体操の楽しさを追求し、選手が自ら考え、互いに教え合う、そして生涯にわたり体操とつき合いたいと思えるような”体操オタク”を作ることであると考えるようになりました。

それから15年以上が経過し、いまでは卒業生が子どもを連れて体育館を訪ねてくれたり、社会人大会に参加したりしてくれるようになりました。今回の社会人大会の優勝もその延長上にあると思います。
たまたま、私の誕生日が試合日と重なったこともあり、昨年に続き今年の大会後にも、選手たちが優勝の金メダルをプレゼントしてくれました。これがどれほど嬉しかったことか。長年の夢の一つが叶ったようでした。

それでも人間は、いや私は欲張りなので、競技の試合も全ての年代で優勝したいし、社会人になった教え子がどの試合にも審判やコーチとして参加していて欲しいなんて考えています。
いつの日か、アンダー12全国大会、全日本ジュニアABCDクラスと選手権1部と2部、全国中学、インターハイ、インカレ、国体、全日本シニア一部と二部、全日本選手権(個人、団体、種目別)そしてオリンピックなどの世界大会、世界マスターズ体操大会のすべてに参加させたい。
これら全ての大会に教え子たちが参加し、大会を支援して、未来に向かって体操文化の素晴らしさを語り継いでいって欲しい。
こんな馬鹿げたように見える大きな夢も、なんだかもうすぐ手が届きそうな気がしてきています(笑)

”ときめきは人生の宝物” こんな言葉が今日の私の心に飛び込んできました。
英語で"Palpitation" 、NHKの朝ドラの『花子とアン」の主題にもなっているこの言葉。
すなわち、ハラハラ、ドキドキは体操競技の特徴を良く表していると思います。
これからも、このときめきを伝えていきたい。

私の小さな憂鬱も、卒業生の心遣いにより吹き飛んでいきました。
さあ、次年度に向けて新たに歩みだした新生武庫川体操部。
更なる、ご指導•ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。