インカレのチーム選手権が終わりました。
結果は7位。Japanの出場権を逃すことに。完敗です。

優秀な選手を預かり、練習環境も良い中で結果は予想だにしなかったものになりました。

エースの一人が熱中症で39.7分の発熱により、試合の前2日間ホテルで寝たきり、前日少し熱も下がりホッとしましたが、当日も微熱が。出場させるか悩みましたが、出来ることを出来る所までやると決めました。

そんな本当に出来るのかという不安と、きっとなんとかなる大丈夫という期待が入り混じった中で試合が始まりました。

一種目の平均台。
一人目が落下。
2人目おりが潰れかかるが、辛うじて立つ。
3人目キャプテンが悪い流れを食い止めてくれるはず。しかし、落下。
4人目も落下。
ええ~っ。まさか⁉︎
なんだか怪しげな空気が、、、

次は熱で寝込んだ選手だが、
落下に続き、降りも潰れる。
あっという間に地獄に突き落とされた様な展開。
最後の選手がなんとか通すも得点は伸びない。
最悪の滑り出しだ。

もう、涙目の選手が。
この時点で予定より4~5点は落とす。
なんとか立ち直してくれ。

試合直前のアップで急に脚が動かないと言い出すもの、いつも出来ていたのに、なぜか運動のリズムがおかしいもの。
それでも、今は立ち向かうしかない。

床の演技が始まりました。
1人目、ラストの屈伸ダブルでお手つき。
2人目は頑張り、3人目も4人目も成功!OK。観客席も必死の応援で盛り上がる。
ようやく笑顔がこぼれ、応援席に手を振る余裕も。

しかし、演技が終わった選手が泣き出し、床に座りこんで過呼吸になりかける。
次は休憩が入るのでトレーナーに預けて落ち着かせる。
応援席も心配そうに見守る。
またまた、重苦しい空気が漂い始めた。

これまで色んな試合でピンチは経験してきたが、今回のような訳の分からない自信の欠如とチームのバラバラ感は味わったことがないものだった。

今まで味わったことがないほどの虚無感のような精神状態が休憩中も続く。

こんな時、名監督ならば選手の心を上手にコントロールするのだろうが、これも選手の経験になると腹をくくり、「まだ半分しか試合は終わっていない。これからが本当の勝負だ。頑張ろう!」と伝え、選手の底力を信じて見守ることにする。

すると、キャプテンの荒川がみんなを集め、円陣を組み、檄を飛ばし始めた。
彼女はキャプテンになり、これまでクラブをまとめるのに苦労し悩み続けてきた。
彼女は不言実行で引っ張ってきたタイプの人間だ。口で叱咤激励するシーンは殆ど見られ無かった。

だが、今回は違った。
最後のインカレをみんなと思いっきり戦い終えたい。そんな彼女が精一杯の声を出して、最後まで諦めないで頑張ろうと訴える。

泣いていたり、一人で瞑想していたり、バラバラ感のチームがようやく一つになろうとした瞬間だった。

こんなピンチになって、ようやく本物のキャプテンになってくれたなと感じられなんだか嬉しくなった。
私の心の中のモヤモヤも収まり、ようやく平静に。

跳馬はうちのチームの弱点でもある。
不安はあるが、ただただ祈るように演技を見守る。

跳馬、一人目OK。
2人目一年生が失敗。果敢に新技に挑んでのミスだから良しとして次へ。
4年生が2人成功し、なんとかピンチをこらえる。続いて、3年生が潰れそうな入りだったがなんとか必死で捻りを成功させる。

ところが、まだ涙が止まらず身体に力が入らない一年生が残っている。
一番得意な種目なのに技を下げて辛くも演技する。だだ跳んだだけ演技になってしまう。
すると、ここで顔を覆って泣き出した。

まだ、最終種目が残っている。
絶対に試合は楽しくやろう、楽しもうと実践してきた私も
この時ばかりは、
「泣いている場合か! 先輩たちの最後のインカレだぞ。最後まで諦めないで戦え!しっかりしろ❗️」と声をあげてしまった。

すると、キャプテンが、すかさず全員を集め、最後の円陣を組む。もう本当に最後なのだ。

ようやく泣き止んだ選手の肩をだき、しっかりと眼を見て話す荒川が頼もしい。

しかし、まだまだピンチは続いた。
一人目、見たこともないような大過失を2回。
2人目、一年生がなんとか踏ん張る。
3人目いつも安定している3年生が落下と大過失を連続する。
4人目踏ん張り、5人目の涙の枯れた一年生が意識朦朧のはずだが、最後の力を出し切り成功!

そして、最後はキャプテン。
バッチリ決めて、降りもOKと思ったら、一瞬スピードが落ちてあっやばい。
しかし、とっさに捻りを減らして成功。
さすがの演技に拍手!

予定とは全く違う展開の試合となり、実力が十分発揮出来たとは言えない今年のインカレ。
最悪の結果となったが、こんな中でも人間の成長をみれた喜びと自分の未熟さを知れて良かったと思えた。

世の中そんなに甘くない。
しっかりと準備したつもりは、
一瞬にして崩壊することを学んだ。

選手は頑張りました。一杯一杯でした。
監督の不甲斐なさと責任を痛感しつつ、
でも、真摯に生きようと改めて決意しました。

夏が駆け足で去っていきました。
この悔しさは練習に活かすしかない。

応援ありがとうございました。
{DE97FE48-B4D2-4BCB-97FB-D9256ED158AF:01}