別れの季節 | Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

鑑賞は生中心主義。自分の眼でライブで見たことを中心に、語ろうと思います。

令和5年度の最終日だった。


行政事業を請け負っていただいている事業会社さま、各種団体さまが報告書やご請求書を持ってきてくださるので、フロアは行き交う人でいっぱい。


そしてまた、異動するプロパー職員、出向元へ帰るひと、挨拶に来られてる後任…あちこちで「ありがとうございました」「よろしくお願いします」がひっきりなしに繰り広げられている。


公務員はほぼ2年で異動していくし、私の勤める省庁は出向者も物凄く多いので、もはや人の行き来は渋谷駅前の交差点並みなんじゃないかと思える。

行く人、来る人。

今はここにステイして仲介している(交通整理している)人も、来年は去っていく側だ。

中央省庁は閉鎖的だというイメージが強いだろうと思うが、そしていろんな意味でそれは間違ってるとは思わないが、内部の流動性は高い。


私のような、本当に限られた仕事しかしていない人間にも「別れ」があり、来週からの出会いの予告もある。

神経を使う年度末精算作業をしながら挨拶をし、リモート会議で御礼言葉を聞き、メールで異動のことを知り…。

気づくと、もはやくたくたになってしまっていた。

定時を少し過ぎたので、力を振り絞って一番近しく仕事をした同じ島のひとたちと言葉をかわす。

遠くへ赴任する人、もとの会社に帰る人…なにか企てない限り、二度と逢わないかも知れない人たちだ。

最後に何を話すべきか。長年の勤め人生活でそつなく対処できてると思うけれど、今までになく力を奪われる気がした…。

人生は「別れ」の繰り返し。骨に沁みたのだと思う。


体力も知力も落ちていくなかで、日々の出来事を受け止める力も減退している…?

鈍感になっていく「手」もあるのだろうが、私はそれができない…より、いろんなことを考えるようになってしまっているようだ。


朝とは打ってかわって空気が暖まってきた夕暮れの街。疲れで動けなくなる前にと、家路を急ぐ。

コートはもはや着ると汗をかきそうなので腕にかけて。荷物が多くなるとどこかで忘れ物をしそうで恐ろしい。そうそう、コートのポケットに大切なものを入れてなかっただろうか…それを何かの拍子に落としたりしたら悲惨だから、と確かめる。


電車は、どこかの駅で車両点検をしたらしくて5分の遅れ。帰宅ラッシュ時間の遅延は数分でも混雑を引き起こす。


…来週は出会いの週だ。着任する人が何人もやってくる。新しい落札先との打ち合わせ。適切な挨拶とちょっとしたお愛想。新しい個性との邂逅。


もはや、全力で働くのは難しいのかもしれない。自分で求めた新しい環境ではあるのだけれど…。


でも、これからの職場にはいろんな人がいていいはず。さぼらず無理せず機嫌よく。

今日はちょっと疲れてるだけなのだ。