ラーメン店の閉店による店舗の賃貸借契約終了に伴う原状回復工事で監視カメラを撤去・廃棄することが契約違反にあたるとして、請負契約の契約不適合責任による損害賠償を求めた訴訟の判決が大阪地方裁判所であった。(大阪地裁令和5.12.7)

 

判決は、請負の契約不適合責任を否定した。

判決内容は、以下のとおりである。

 

まず、本件請負契約において、Kネクスト監視カメラの残置が合意されていたことを明示する書面はなく、

 

被告が見積書を作成した令和2年8月7日から同月末までの間に、原告と被告との間において具体的な工事内容に関する打合せが行われて本件請負契約が締結された事実、

 

上記打合せにおいて、原告(担当者P1)が被告(被告代表者)に対し、1.本件リストに記載された機材及び備品並びに空調機を残置して残りすべて撤去すること、

 

2.「監視カメラ」は別業者に依頼して予め撤去させることをそれぞれ伝えた事実、本件リストには監視カメラが列挙されていなかった事実、

 

原告が本件請負契約の工事着工前に依頼した第三者により原告設置の監視カメラを撤去させた事実、がそれぞれ認められる。

 

これらの事実関係によれば、原告と被告は、原告設置の監視カメラは原告において工事着工前に移動させることを前提に、本件リストに記載された機材及び備品並びに空調機は残置するが、

 

それ以外の動産は残置せず、すべて撤去する工事を本件請負契約の内容とする旨合意したと認められる。

 

そうすると、「本件請負契約において、Kネクスト監視カメラの残置が合意されていたとはいえないから、Kネクスト監視カメラの撤去について被告に契約不適合責任は成立しない。」として、請負の契約不適合責任を否定した。

 

請負の契約不適合責任についてはこちらのブログが参考になります。

 

 

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