合同会社の代表社員(役員)らが会社の資金を私的に流用することが善管注意義務違反・忠実義務違反にあたるとして、会社が役員らに損害賠償を求めた訴訟の判決が東京地方裁判所であった。(東京地裁令和3.12.20)

 

判決は、代表社員らの善管注意義務違反・忠実義務違反による共同不法行為責任を認めるものであった。

判決内容は以下のようになっている。

 

まず、被告Aは、本件資金2の原資が原告による本件格納庫の取得資金とする趣旨でマルナカHDから原告名義の預金口座に振り込まれた18億円の一部であることを認識した上で、

 

被告資源外交の職務執行者の地位を利用して、本件資金2を故意に本来の目的とは異なる目的に使用し、その一部を自身が代表者である被告B不動産による本件不動産代金の支払に使用したものと認められるから、

 

「被告らによる本件資金2の目的外使用は、原告に対する共同不法行為を構成するというべきである。」とした。

 

そして、被告資源外交名義の預金口座に振り込まれた本件資金2のうち返還未了である2億2700万円については、

 

被告が、マルナカHDに対し被告B不動産名義及び被告A個人名義で作成した2億1700万円の私的流用を認める旨の確認書を差し入れていることや、

 

不動産取引に関連する支払のために使用された1億5800万円を除く、6900万円の具体的な使途に関する説明をしていないこと、

 

他方で、被告B不動産名義での不動産取引に使用されたのは本件不動産代金の支払に関する5500万円のみであることを踏まえると、

 

「被告資源外交及び被告Aは上記2億2700万円の全額について、被告B不動産はこのうち本件不動産代金に相当する5500万円について、それぞれ連帯して原告に対する損害賠償義務を負うものと認めるのが相当である。」とした。

 

善管注意義務・忠実義務に関してはこちらのブログが参考になります。

 

 

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