とても気になる記事を見つけた。

買い物代金などをスマートフォーンのアプリで支払う(スマホ決済)サービスで、第三者に不正利用されたときの補償を利用規約に明記する事業者が増えていることである。

 

詳細は日経新聞から配信されたこちらの記事で

URL:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53170490Q9A211C1EE9000/

 

そこで忘れてはならないのは、スマホ決済サービスにも消費者契約法が適用されることである。

消費者契約法には次の規定がされている。

 

第8条(事業者の損害賠償の責任を免除する条項の無効)

 

1.次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。

 

一 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項

 

二 事業者の債務不履行(当該事業者、その代表者またはその使用する者の故意または重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除する条項

 

三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する民法の規定による責任の全部を免除する条項

 

四 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為(当該事業者、その代表者またはその使用する者の故意または重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する民法の規定による責任の一部を免除する条項

 

これは、消費者との契約において、事業者の債務不履行及び不法行為による損害賠償責任の全部または一部を免除する規定を無効とするものである。

 

それゆえに、「不正があっても支払いの責任を利用者が負う」という旨の規定や、「会社に重過失などがない限り会社は責任を負わない」という旨の規定は、消費者契約法の趣旨から無効といえる。

 

また、補償規約の内容が事業者側に一方的に有利なものならば、それも無効となる。

根拠となる規定は以下のとおりである。

 

第10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)

 

民法、商法その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、または消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

 

最後に、(一社)キャッシュレス推進協議会から「コード決済における不正利用に関する責任分担・補償等についての規定事例集」が公開されております。

URL:https://www.paymentsjapan.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/08/Casebook_User_Compensation_Terms.pdf

 

後に書いた関連記事はこちら

URL:https://ameblo.jp/gut-expert/entry-12577695398.html

 

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