全国高校生観光プランコンテスト(現全国高等学校観光選手権大会)のウェブサイト上で登録商標「観光甲子園」を使用することが商標権侵害にあたるか学校法人との間で争われた訴訟の判決が大阪地方裁判所であった。(大阪地裁平成29.4.10)
 
判決は、商標権侵害を否定した。
この判決で注目すべきことは、ホームページで商標を使用したことにつき過失が推定(商標法39条)されるかである。
 
まず、商標権侵害について過失が推定されることとされた趣旨は、商標権の内容については、商標公報、商標登録原簿等によって公示されており、何人もその存在及び内容について調査を行うことが可能であること等の事情を考慮したものと解される。
 
このことに鑑みると、「侵害行為をした者において、商標権者による当該商標の使用許諾を信じ、そう信じるにつき正当な理由がある場合には、過失がないと認めるのが相当である。」とした。
 
そのうえで、被告には、原告から平成27年5月に本件商標の使用を指摘されて、その買取りを求められるまでの間、ホームページに商標を使用するにあたり、商標権の移転に関する原告の理事会決議に先行して商標を使用することをあらかじめ許諾されており、必要な事項については内部でしかるべき手続が執られ、または執られることを信じ、また、そう信じるにつき正当な理由があったというべきであるから、
 
「被告による本件商標の使用には過失がなかったものと認めるのが相当である。」として、過失の推定を覆し商標権侵害を否定した。
 
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