岸田さんは如何にも重要な政策決断を果敢に下しているように見えるが、底が浅すぎて、本格的な議論には堪えられないのではないか、と思えてならない。
岸田さんは、安倍さんでも出来なかった重要な政策決断を短期間に次々と繰り出しているから、安倍さん以上に大きな仕事をしている、大したものだ、などと岸田さんを讃える世論が湧き起こってもおかしくない状況ではあるが、実際には世間の反応は実に冷たい。
シラーッとして空気が漂っている、というのが正直なところではないだろうか。
岸田さんの政策決断が間違っているのかどうかはまだ結論を出すには材料が不足しており、留保するしかないのだが、岸田さんの政策決断は如何にも安易に行われているようで、その結論の重さと較べるとどうにも軽い。
どこにも徹底的な議論と周到な検討が行われた痕跡がないから、何か問題が起きると簡単に結論が後退して行くような不安さが付き纏っている。
与党内での議論自体も不十分だし、野党との間で血を噴き出すような激しい議論も経ていない。
それでも、方向性は間違っていませんね、と評価する人もおられるだろうが、そういう重要な政策決断に至ったプロセスが極めて浅薄だった、ということになれば、あっという間に世間の評価は変わってしまうだろう。
本格的な議論には結局は堪えられない、ということになるんではないか、というのが、私の現時点での率直な感想である。