小選挙区制の弊害あれこれ | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

かつてと比べれば、金権まみれの人はいなくなったんじゃないかなと思っている。

中選挙区制の時代の選挙区はとにかく金がかかったと聞いているので、選挙にそうそう金がかからなくなったというのは、政治に夢を持っておられる方々にとってはいいことである。

私も中選挙区制の時代であれば国政選挙に挑戦しようとなど考えなかっただろう。
いくら憧れがあっても、先立つものがなければ立候補は出来ない。
地盤、看板、鞄なしでの国政挑戦は無謀以外の何者でもない。

中選挙区制から小選挙区制に移行して最初の衆議院議員選挙に私が自民党の公認を得て立候補することになったのは、現職の衆議院議員がいる選挙区に新人が挑戦しようとしてもまず当選する可能性がないと大方の人が知ってからである。

そういう選挙だからこそ、地元出身でなく、地元に知人、友人、親戚もいない私が自民党の公認候補として衆議院議員選挙に挑戦することになった。

そういう意味では小選挙区制選挙だから私に国政挑戦のチャンスが巡ってきたと言っていいだろう。

もっとも、こういう状態で新人が当選できるはずもなく、選挙の実際に通じた方々は冷ややかに見ておられたはずである。
国政選挙に挑戦して三度敗れ、四度目の挑戦でようやく当選を果たしたのだから、若い方々に私と同じような道を歩むようにお勧めすることはとても出来ない。

しかし、それでも若い方々には何とかして政治への道を志していただきたいなあと願っている。

その時にガンとなるのが、現在の小選挙区制度である。
おいおいおい、これでは若い方々の出番がどこにもないじゃないか。

どんなに有能な若い人がいても、現職の衆議院議員がいる選挙区では新人が自民党の公認を得て立候補することは出来ない。
もっといい候補者がいるんだがなぁ、と思っても、選挙区に空きがないから、本来保守の政治家の人が野党の候補者になるしか立候補のチャンスを掴むことが出来ない。

将来的にはこれが政治家の劣化になるだろうし、いずれは政治そのものの劣化にも繋がるだろうと心配している。

政治資金規正法の改正や公職選挙法の改正で選挙に金が掛かるという中選挙区選挙時代の悪弊は相当解消されてきたと言っていいのではなかろうか。
そろそろ中選挙区制度に戻してみては如何ですか、というのが、私の現時点での率直な感想である。