この土壇場に来ての民進党の都知事候補擁立劇は、見ていて実に痛々しい。
これまで名前を挙げられた方々にずいぶん失礼じゃないか、と無関係な第三者である私などは腹が立ってくるのだが、政党の政治に関わっておられる方々は実に無神経だ。
それなりにご本人の了解を取ったうえでの行動だろうから無礼ではないか、などとは言わないが、何にしても一晩で前言を翻してしまうのだから凄い。
まあ、勝てない勝負に負けを承知で挑むような奇特な人は滅多にいないはずだから、貴方ではとても勝てそうにないから、他の候補者を探すことにしました、と言うのは親切の類かも知れないが。
それにしても、真剣に出馬を検討されて記者会見までされた方々が気の毒である。
名前が上った方々は、名前が上っただけで何らかの色が付くのだから、政治の世界のドロドロに否が応でも一定程度巻き込まれてしまう。
それは覚悟の上だったのでしょう、などと言われても、実際にはそこまで分かっていて覚悟を決めた人は少ないはずだから、気の毒なことになった人は本当に気の毒だ。
まさか民進党が鳥越さんを担ぎ出すことになるとは、信じられないほどの迷走ぶりである。
鳥越さんは確か癌で4回ほど手術をされているはずだから、普通の感覚では政治の表舞台に引き出すようなことはしない。
ご意見番ぐらいの役割なら問題はないだろうが、これまで行政の実務経験がまったくない方がいきなり行政のトップに躍り出る、というのは如何にも無茶である。
誰かに実務を任せてしまえる太っ腹な人ならそれなりにやりようはあるだろうが、自分ですべてのことを理解し、自分自身の判断で大事なことを決めなければならないと思っている生真面目な方にはそういう大雑把なことは出来ないはずである。
盲判を押し慣れている人ならある程度対応できるだろうが、細かいことにまで目が行き届く神経が細かい人にはとてもこなし切れそうにないのが知事という仕事だと思う。
いい人だ、政治的なセンスがある人だ、というだけでは務まらないだろうと思っている。
選挙に勝ちさえすればいい、というだけの思惑で鳥越さんを担ぎ出したのだったら、鳥越さんは誰かのロボット、操り人形になってしまう。
民進党の候補者選びはこんな風にいい加減だったのかしら、と思うと、やはり民進党には政権を委ねられないな、と思わざるを得ない。
いやあ、驚いた。
都民の方々がどんな風に受け止められるか、見てみたいものだ。