見事に自分を消し切った原節子さんを悼む | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

見事なものだなあ、と改めて思っている。

どういう心境の変化があり、どういうことが切っ掛けでそういう行動に出られたのか謎だが、50年余りもの長い間一切表に顔を出されなかった、というのだから、これは凄い。
騒がないでください、そっとしておいてください、と言い続けてきておられたのだろうが、それにしても本当に自分のことを消し去ってこられたのだから、常人のなせる業ではない。

俗人である私などは、世間から忘れ去られることがないように、ただただここにいるよ、元気だよ~と騒ぎ立てているだけだが、こんな風に実際に自分を消し切ってしまえる人がいた、というのは驚きである。

やはり神様の一人だったのだろう。
聖女原節子、逝く、と言うべきか。

かつては邦画を観ることは殆どなかったが、池袋の新文芸坐を知ってからちょくちょくスクリーンで原節子を見た。
それほど美人でもなんでもないな、などと若干醒めた目で見ていたのだが、何度も見ている内にああいい女優さんだ、と思えてきた。
ちょっとぶきっちょなような印象だったが、その清楚さだけはしっかり印象に残った。

40歳を過ぎたばかりで、何故スクリーンから去られたのだろうか。
女優を引退されてからどういう人生を送ってこられたのだろうか。
私たち後進の者に何かメッセージを残しておられないだろうか。

知りたいことばかりである。

こういう人生もあるのか。

私もいつの間にか原節子フアンになっていた。