マイペース宣言をしたら、段々刑事司法の分野に近づいて行っているー気になる狭山裁判 | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

決して楽をしたいという訳ではないが、あえて自分で出来もしないことや、とにかく出来ても上手に仕上げることが出来ないことは出来るだけしないようにしよう、というのが私の当面の結論である。
そんなことは分かっていますよ、と優しく声を掛けてくれる人が多いが、かつての私を知っている人の中にはそういうことを言い出す私を、根性なし!と叱責したくなる人もいるかも知れない。
なにしろ猪突猛進、馬車馬で、思い込んだら命懸け、みたいな毎日をずっと送ってきたのだから、課題図書の棚上げや返上を言い出した私の突然の変身に驚いておられるかも知れない。

マイペース宣言である。

自分のやりたいことをやりたいようにやる。
自分がやるべきことを自分の現在持っている力の範囲内でやる。
だから、個別の事件処理は、自分単独ではやらない。
私が出ることに特別の意味があり、またそれが役に立つことが明らかな時は私の名前を出すが、誰がやってもそう違いがないと思われることや、他の人がやった方がいいことには私の名前を出さないことにした。

欲がない、と言えばその通りだが、そのくらいに個別の事件処理からは身を引いているのが現在の私である。

しかし、段々そうもしていられないような気もしてきた。
先日の袴田事件の再審開始決定がその一つである。

無実の人が48年間も死刑囚として獄に閉じ込められていた、ということを知って心を動かされない人はいないはずだ。
日本の司法を正す会に参加してきたから、私は袴田裁判の問題性に気が付くことが出来た。
既に大勢の方々が袴田裁判の弁護団に加わっておられたから、私はただその活動を遠くから見守っていただけだった。

再審開始決定は当然であり、よかったと思う。
しかし、再審開始決定が出てよかったですね、だけで済ませておくことがどうにも出来ない。
私に出来ることはなかったか。
私にこれから出来ることは何か。
そんなことを、自問自答している。

そういう時に一冊の冊子が送られてきた。

「狭山裁判の半世紀を問う」(狭山差別裁判447号)である。
日本の司法を正す会で狭山事件の弁護団事務局の方のお話を聞いたことがあるが、それ以来毎月私の下に送り届けられている冊子である。
部落解放同盟中央本部、中央狭山闘争本部の名前で送られてきているので、如何にも政治的色彩が強く直ちには同調できないのだが、聞かれている内容は司法関係者として看過できないような事柄である。

私も何かするべきではないか。
私にも何か出来ることがあるのではないか。

またまた自問自答の種が増えた。

マイペース宣言をしているのだが、刑事弁護士として一歩前に足を進める時が近づいてきているような気がしてきた。

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