欧米で日本の右傾化を指摘する論調が出始めたが、何を持って右と言い左と言うのかをまずは明らかにする必要がある。
右傾化が日本の軍国主義化を意味するのであれば、これはノーである。
右傾化が、日本の自律性を回復せよという主張が有力になりつつあるということを指すのであれば、これはそのとおりではあるが、あくまで現状の日本の政治の在り様に対しての批判なり反省の範囲であって、直ちに日本が軍国主義国家への道を歩み始めているのではないか、という観測は当たらない。
精々が国家としての統治能力が発揮できるような強い国家、強い政府を求める声が強くなった、機能する政府、機能する国家を求める政治指導者が堂々と憲法の改正や集団的自衛権の行使が可能なような現実的な仕組みを導入するように求め始めた、というだけで、決して日本の戦争放棄、基本的人権の尊重、国際平和主義、国民主権の大原則を揺るがせようとするような新しい政治の潮流が現われた、というものではない。
日本が右傾化し始めた、という観測は誤りだが、外国のメディアがそのように日本の政治の流れを捉えている、ということ自体は悪いことではない。
日本の外交力の強化にこういう「世論の風潮」を活用することは出来る。
たとえ実態はなくとも、うっかりするとそういう世論が日本の政界を支配し、日本がコントロール不可能な軍事的強国への道を歩み始めるかも知れない、という警告を与えることは悪いことではない。
こんな風に私は考えているが、さて如何だろうか。
自民党の総裁選挙に名乗りを上げている5人の候補者は精々が日本の自律性の強化を訴えている程度であって、アメリカのように軍需産業の強い影響力の下にあるネオコン的な政治家は一人もいないし、大阪の橋下氏も普通の日本人だと私は思っているが如何か。