小沢判決の影響力希釈化作戦か | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

弁護士なら必ずやることである。

当事者が知力の限りを尽くし、まさに必死で争っている事件の判決結果を予想することは難しい。
弁護士は、自分の思い通りの結論が出された場合のコメントとその反対に自分たちの主張が退けられた時のコメントの両方を予め用意する。

特に力を入れるのは自分たちの主張が退けられた時のコメントの方で、そういう意味では実務経験の長いベテランの弁護士はなかなか周到である。

法曹資格はあっても弁護士としての本格的な経験が少ない人のコメントは概ね分かり易いが、どうしても単線的に成り易く、裁判所の判断と異なることが多いからあまり当てにしない方がいい。

4月26日の小沢裁判の判決言渡しまで10日を切った。
今頃は裁判官の合議も全部済んで判決文の最終的検討に入っている頃だ。
私自身は小沢氏に対して一部無罪、一部有罪の罰金刑が言い渡されるのだろうと推測しているが、証拠不十分で全面的無罪の判決が言い渡される可能性も、さらには、石川被告との共謀を認めて事案が悪質であると認定したうえで執行猶予付き懲役刑選択の有罪判決が言い渡される可能性も否定できない。

要するに、何も分かりません、ということだ。
そのくらい判決を予想することは難しく、判決言渡しの直前まで弁護士は腹がグルグル鳴るような感じで判決を待つものだ。

最悪に備えるのがいい弁護士の条件である。
自分たちに都合のいいことばかりを考えたり、外に向かって言い触れ歩く人は、どちらかと言うと軽率な人、未熟な人である。
何が良くて何が悪いかは、立場によって大きく変わる。
人によっても変わる。
小沢裁判で無罪判決が出ると政治的に窮地に追い込まれることが明らかな人の弁護士は、今頃無罪判決が言い渡された時の判決の政治的影響力をどうやって希釈化するかの知恵を絞っているはずだ。

野田内閣の弁護人は、どうやら仙谷氏のようである。
最近仙谷氏が表舞台によく登場するのは、小沢判決の影響力をどうやって希釈化するかの布石ではないかと思われる節がある。
小沢裁判の判決が言い渡される今月の26日の直前に国民の耳目を小沢裁判から逸らすような事件が起きたら、多分小沢判決影響力希釈化作戦の一環だと思っていた方がいい。

何かが起きそうである。
23日ごろに田中防衛大臣、前田国交大臣の更迭でもあるのだろうか。
もっともこの程度では、国民の関心を小沢裁判から逸らすことは出来ないが・・・・。