騙されやすい人は何度も騙される | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

弁護士に成り立ての頃のことだったが、ある詐欺的商法詐欺事件の被告の弁護人になったことがある。

長年手を変え品を変えて同様の商売をしていた人たちだったので、自分たちの行為が詐欺だと言われかねないことは十分承知していたようだった。
警察から目を付けられないように様々に工夫していた。

絶対に事件にならないように、ちゃんと契約書に書いてあります。
色々な事件を経験してきたから、絶対に警察に挙げられないようにしてあります。
そう、自信たっぷりに話していたものだった。

その事件は随分長い事件だったようで、私はその一部に一時的に携わっただけで最終的結論がどうなったか知らないが、その被告人が打ち合わせの時に私に言った一言が今でも忘れられない。

裁判官の目の前で、私に話をさせてください。
裁判官に必ず契約させますから。
必ず裁判官はその気になりますから。

裁判官でさえ自分の意のままに動かす話術、セールストークの持ち主だということである。
普通のセールストークをしているだけで、何も詐欺をしているわけではない。多少の誇張、虚実取り交えてのセールストークは違法ではない、という主張である。

私も試しに聞いてみたが、私自身は契約する気にはならなかった。
しかし、欲があるとその気になってしまう、ということのようである。

世間には、騙され易い人が結構いる。

詐欺的商法に引っかかった被害者の方は何度も騙されるようだ。
詐欺的商法の被害者名簿はその筋にいくと引っ張りだこだと言われていたものである。

世の中には騙され易い善良な人が実に多い。
あんたは騙さないでしょうね、などと直接相手に聞く人もいるようだが、絶対に、騙しますなどという答えは返ってこない。
騙す人は真剣に騙す。
騙す人は計算をして騙す。
騙す人は自分が騙していると思わないで、本気で騙す。

そう思っていた方がいい。

騙すよりも騙される方がいい、などと甘い顔を見せてはいけない。
騙す人は許してはいけない。
そして、絶対に騙されてはいけない。

皆さんへの警告である。

昨日のブログでとんでもないユーチューブの映像を見た。
私はすっかり騙されてしまった。

フランスのテレビ番組が紹介されていた。
日本にいたこともあるフランス人の弁護士が日本の司法制度、裁判制度が如何に遅れているかをしきりに語っている。
まさに日刊ゲンダイでよく目にするような裁判批判が延々と語られている。
魅力的な女性司会者と実直そうなフランス人弁護士が熱心に日本を語っている。
フランスが分からない私は字幕を一生懸命に読んで中身を理解しようとしていた。
これは日本の司法や裁判に対する大変な誤解だ。
ここまで日本が貶められていたのを放っておいてはいけない。
何か手を打たなければならない、と本当に心配したくらいに良く出来た番組だった。

しかし、あの字幕は映像とは何の関係もない代物だということが分かった。

番組で交わされている会話の同時通訳・逐次翻訳のように思えたが、会話とはまったく関係のない捏造テロップだったのだ。
外国語が理解できないとこんな風に騙されてしまう。

It's Greek to me.
これからは、It's French to us.というところか。

随分手の込んだ、とんでもない詐術を弄する人たちがいる。
騙されまいぞ。騙されまいぞ。

野田詐術にも騙されまいぞ。