昨日、海上保安庁が尖閣ビデオ流出事件について東京地検などに対して被疑者不詳のまま国家公務員法違反(守秘義務違反)などの罪で告発したという。
当然想定された動きだが、私はひょっとしたらユーチューブに投稿した人は公務員の身分を持っていない人ではないかと思っている。
海上保安庁の職員の人が自分の職を賭けてまでこういう行動に出た、ということは考え難い。
公務員は自分の地位を失うことを極度に恐れる。
職務の遂行にも忠実だが、保身も人一倍強い。
雇用不安がこれほど叫ばれているときに、世間的には恵まれていると言われている公務員の身分を賭けてまで行動するような人は、現在では殆ど見かけない。
もしそういう人が海上保安庁の中にいたとしたら、その人は大変な豪傑だし、普段から人とは違った言動をしているはずだ。
マスコミがこれほど騒いでいるのにそれらしい人の名前が出てこないというのは、投稿者は海上保安庁の職員ではない、と考えるのが普通だろう。
中国漁船が海上保安庁の巡視船に体当たりをしてきたのは、今年の9月7日のことである。
当時の国土交通大臣は前原氏。
前原氏は、国民に事件の真相を知らせるべきだと考えていた。
海上保安庁は国民への公開用のビデオを作製していた。
当然、部内用のビデオも作成して海上保安庁の職員の研修に使うつもりもあったと思われる。
当時は、民主党の代表選挙の真っ最中であった。
海上保安庁は前原大臣の指示を受けて公開のための準備をしていたはずだ。
それが途中でおかしなことになった。
公開予定の尖閣ビデオの取り扱いが迷走することになり、那覇地方検察庁に一部を刑事事件の捜査資料として提出したものの、その他のビデオの取り扱いが宙に浮いてしまった。
おそらくその頃、部内用に作製されたビデオのコピーが外部に流れたのではないか。
部内用に作製された段階では、尖閣ビデオの映像は国家機密でもなんでもなかったのではなかろうか。
石垣の海上保安部には海上保安庁の職員以外の者も出入りできたようだし、尖閣ビデオを見ることも出来たようだ。
この段階での尖閣ビデオの流出を国家の秘密の漏洩と断定することは難しい。
もともと国民に公開される予定のビデオ映像が事前に誰かの手元に届いた、という程度の問題になる。
海上保安庁の備品の管理上の不備や手続ミスはあるが、法を破る、という意識は希薄だったのではないだろうか。
石垣海上保安部での尖閣ビデオの管理体制が強化されたのは、尖閣ビデオの国会提出問題が噴出して以降のことのようである。
ユーチューブに投稿した人は検察庁から国会に提出されたものが元の映像を大幅に短縮、編集されたもので、実際の映像とはかなり印象が異なるものらしい、ということに危惧を抱いたのだと思う。
現に国会に提出された尖閣ビデオを見た一部の国会議員から、随分寝ぼけた感想が漏らされていた。
「これではならじ。」
本当の映像を持っていた人がユーチューブに投稿したのだと思う。
これは、テロではない。
義憤に駆られた、というほどの勇ましいものでもない。
ただ、本当の映像はこんなものですよ、と漏らしただけだ。
すぐユーチューブから引っ込めているから、ご本人はこれほど大騒ぎになるとまでは考えていなかったかも知れない。
投稿者はやはり若い人だろう。
投稿者の方が公務員でないのなら、国家公務員法違反には当たらないかも知れない。
勿論管理されている場所に忍び込んで海上保安庁の物品を盗んだのであれば、住居侵入とか窃盗ということになるが、どうもこれには当たらないようだ。
国家の秘密の窃取かと言えば、これも変だ。
一度公開されることが決まっていた情報なら、その情報を知った時点では何の問題もない。
その後、内部の規則で外部には公開しないことを決めたとしても、外部の人までは拘束することは出来ない。
捜査の矛先が変な方向に捻じ曲がらないように、早いうちに投稿者の方には名乗りを上げていただきたい。
私たちは、真相を早く知りたい。