天の声が聞こえた。小沢一郎氏について起訴相当の再議決 | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり  通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

これこそ天の声だと思う。


東京第5検察審査会が起訴相当の再議決を行なった、というニュースが駆け巡っている。

天網恢恢、疎にして洩らさず。

民の声は、天の声。


私にとっては当然の結論だが、ここに来るまでの道のりを考えると、さすがにこの結論は重い。


私が納得できなかったのは、例の小澤一郎氏と陸山会の代表者小沢一郎氏との間で取り交わされたという念書だった。

記者会見まで開いてマスコミに説明したことがまったく嘘だった、ということから、私は小沢氏に対してずっと不信を抱いていた。

小沢氏については政治と金を巡る問題について様々な噂が飛び交っており、自民党としても追及しなければならない、と勢い込んでいたところを、まさにズバッと追及を断ち切るようにして小沢氏が出してきたのが例の念書である。

ちらちらと証文をひけらかし、自分はすべてを公開している、自分ほどすべてを公開している政治家はいない、と大見得を切って、居並ぶ記者を黙らせた。


ちらっちらっとしか見せないから、手にとって確認できないが、どうにも出来過ぎだなあ。

普通ならそんなもの作らないし、作る必要も無いのになあ。

私は、当時そう思っていた。


過ぎたるは及ばざるが如し。

やはり、小細工がばれてしまった。


当時週刊誌で小沢氏の不可解な不動産購入が追及され始めていたので、誰か知恵のある人があんな念書を作ることを考え付いたのではないか、不動産取引に明るい専門家、弁護士や税理士などが後ろにいるんじゃないか、と書いた記憶があるが、どうにもこうにもおかしな念書だった。


うーん。こういう念書は浅知恵がある人しか作らないものだが。

そう、思ったものだった。


どこに最初の嘘があるのか私には分からないが、一つ嘘を吐くとその嘘をカバーするために新たな嘘を吐くことになる。

誰でも経験していることだと思う。

だから、私は小沢氏の一連の不動産取得についての説明には納得できなかった。

何かがおかしい。


秘書のための寮を建設するために陸山会が取得した、という説明がそもそも不合理だった。

自宅の近傍に売りに出ている土地があったので買うことにした、というのが一番あり得るシナリオだった.

多分小沢氏は、政界の不動産屋、と言われるのを避けたかったのだと思う。

個人の利殖のために不動産を買い漁っている、などというイメージを振りまかれるのが嫌だったのではないか。


小沢一郎氏が、いよいよ政治資金規正法違反事件について強制起訴されることになったが、私は、この事件の本筋はそこにあるのではなく、不動産購入資金がどこから出ているのか、すなわち贈収賄や所得税法違反の問題だったのではないか、と考えてきた。


だから、小沢氏を政治資金規正法違反だけで問題視するのは少々おかしなことだ、と思ってきた。

しかし、小沢氏があくまで陸山会の不動産取得だと言い張ると、どうしても政治資金規正法の問題になってしまったのではないか。


そうすると、今回の事件は、小沢氏が自ら作り出したものということになる。

策士策に溺れる、と言う。


裁判の結果無罪となるのではないか、という根強い、しかも希望的な観測があるが、私は、自分のこれまでの弁護士としての経験から、小沢氏が無罪判決を勝ち取るのは相当難しそうだと判断している。

小沢氏の元秘書が捜査の早い段階で、不動産の取得時期を翌年にすることについて了解を求めた、と供述しているのであれば、公判廷でいくら供述を翻しても裁判所はこれを信用しない。

いまさら、あれは個人の小澤一郎としての不動産の取得で、陸山会の資金の流れは関係ありませんでした、と主張し始めても、その弁解はもう通用しない。


物事は、スポットの当て方一つで違ったものに見えることがある。

物事の切り口の違いで、脱税だったり、政治資金規正法違反だったり。

多分、どこかでボタンのかけ違いがあったのだと思う。


いずれにしても、これで日本の政治の闇を解明する一つの切り口が出来た。


私が、天女の声を聞いたのは、6月のことだった。

今日、私は、天の声を聞いたような気がする。