現在の天皇という地位は日本国憲法と法律に由来するもので、皇位の継承問題について自由に意見を述べることは許されている。
戦前なら不敬罪にあたるようなことも今は許されているのだから、現在私たちはかなりいい国にいる、と言ってよい。
しかし、政治家にとっては皇室問題に触れることは、かなりのリスクを伴うことで、自ずから発言は慎重にならざるを得なかった。
そのタブーに挑戦しようとしたのが、小泉元総理と当時の福田官房長官だった。
あのときに思い切ってタブーを取り除いておけば良かったが、結果的には皇位継承問題はお蔵入り、解決先送りになった。
当時の自民党では皇位継承問題について決着を付けることは、出来そうになかったので、私も中途半端にこの問題に関わるのは止めておいた。
今は、フリーな立場になり、わが国が抱える様々な問題について、党利党略を離れ完全に自由な立場から解決への処方箋、私案を提示しうることになったので、この際問題提起をさせていただくことにする。
まず、私は天皇にご退位の自由を認めていいのではないか、と考えている。
象徴天皇としての公務の遂行に支障を来たしている場合にも天皇の職務を続けなければならない、というのは余りにも酷である。
次に、男子にのみ皇位継承を認めるのも不自然である。
女系天皇、女性天皇もあってよい。
さらに、象徴天皇としての役割や皇室の伝統行事を掌る神官としての役割を担っていただくためには、幼い時からの皇室教育がなによりも重要である。
その意味では、長子から順番に皇位継承の順位を付与するものとし、皇位継承予定者の教育に万全を期すべきではないか。
伝統保守の方々とは、多分皇位継承問題についての考え方で袂を分かつことになるのではないか、と思っているが、この際私の立ち位置を明らかにしておく。
私は、皇室典範を皇室法と改め、皇室会議で天皇のご退位を認めたり、天皇のご就位を承認する、という制度に改めては如何かと考えている。
大変センシティブな問題である。
しかし、いつかは解決しなければならない大事な問題である。
天皇ご即位20年記念式典が開催される本日、あえて私から問題提起させていただくことにした。
皆さんのご意見をいただければ幸いである。