夜中の1時ごろに痛みのために目が覚める。胸の右側が痛む。
昨日までのぼやけた痛みとは違い、ズキンとアタリのある痛みだ。
おかしい。寝付いた時よりも痛みが増している。
体が回復に向かっているはずなのに、なぜ痛みが鋭くなるのだろうか。
いずれにしても寝られない。
仕方がないので、看護師さんに頼んで、痛み止めのボタンを押してもらう。
すると、30分くらいで効果が現れて、また眠気が出てきた。
これなら寝れると、目を瞑るとやはり眠ることができたが、先ほどと同じで、痛み止めの効果が切れた4時ごろに目が覚める。
看護師さんに痛み止めの話をしたところ、あまり続けて使い過ぎるのも体に良くないとのことだったので、痛み止めなしで眠れるか頑張ることにする。
痛み止めの代わりに上体を起き上がらせてもらい、楽な姿勢に変えてもらえるようにお願いする。
30度くらいまで体を起こし、足を曲げた姿勢にして、痛みが和らぐのを待つ。
しかし、痛みは増してくる。
眠る前は息をするとぼやけた痛みがあるくらいに落ち着いてきたので、我慢ができたのに、今は息をするたびに右胸が鋭く痛む。
やはり我慢ができなくなり、痛み止めのボタンを押してもらう。
すると、また眠りにつくことが出来て、6時半に再度胸の痛みを感じるまでは眠ることが出来た。
6時半に目が覚めたあとは、胸の痛みが増した理由を確かめるため、体の回復の程度を確かめる。
もしかしたら、体調が悪化しているのではないかと思ったためだ。
左手は昨日よりも調子が良さそう。
息をしてみると、吸える空気の量が心なしか増えている気がする。
しかし、右胸の痛みは取れない。
あとは、左肩の表面にピリピリとした痛みが時々起きる。
左肩は何も手術をしていないのにおかしい。
看護師さんに伝えて、触ってもらったが何も無い。
痛みは鋭いが皮膚が痛むだけである。
触っても痛みは増さないしおかしな感じがする。
朝ご飯が7時半に来たが、右胸が痛くて食べられない。
お茶を飲み、デザートのオレンジの汁を啜ってお終いにする。
昨日の晩にあれだけ食べられたのに不思議だ。
だんだん右胸の痛みは増しているが、またひたすら時間が過ぎるのを待つだけとなった。
すると、9時前に先生が来てドレーンを一本抜くということになった。
手術の際に用いた水や手術の際に流れた血が体の中に溜まらないように、胸の左右に排液用のドレーンが一本ずつ入っていたが、右側のドレーンを抜くとのことである。
体を寝かせて左を向いて、「息を吸って、止めて」という先生の指示に従うとスッとドレーンが抜かれた。
体の中に入っていた長さは20センチ程度のドレーンだか、スルリと抜けてびっくりした。(もっと抵抗があると覚悟していたからだ)
そして、ドレーンが抜けると右胸の痛みがスーッと無くなり、それにもビックリした。
右胸の痛みが無くなったことを先生に伝えると、それは手術で縮んでいた肺が徐々に膨らんできて、ドレーンを押し上げたことによる痛みだと思うとのことだった。
このため、ドレーンを抜いたら、圧迫が無くなったので痛みが消え去ったというわけである。
右側のドレーンが抜去されると、右胸の痛みが消え去るとともに身体のダルさも一気に回復した。
胸に二本のドレーンが入っているというのはそれだけ体にとっては負担だったのだろう。
今なら歩いてトイレに行くこともできそうだと感じるくらい楽になった。
ホッとして休んでいると、看護師さんが差し入れの荷物を持ってきた。
妻が着替えを持ってきてくれたそうだ。
昨日送ったLINEが既読にならないので、すこし心配しているとのことだった。
ドレーンを抜いて実際に体が楽になっていたので、「少し元気になった」と妻に伝えてもらうようにお願いする。
普通なら昨日の夕方の時点でリカバリールームから一般病室に戻ってスマホを確認しているはずなのに、LINEのリアクションがないので、やきもきしていたらしい。
心配をかけてしまって、申し訳ないなと思う。
本当なら妻の顔を見たかったが、コロナ対策のために面会は一切不可。
看護師さんを通じた荷物の受け渡ししかできない。