出発準備



月曜日の朝、サファイアは朝のミーティングにまもなく始まる小惑星破壊計画の素案を発表する。
スクリーンには太陽系に接近する小惑星の落下ルートと時間軸上での作業内容が図と説明文でまとめてあった。
しかしタカには作戦開始の時期に納得ができなかった。

「作業って冥王星軌道から始めるのかよ、 かなり遠過ぎないかい?」

タカはペンを咥えて予定開始位置をスクリーンを見る。

「小惑星の測量準備があります。 接近してから出発では計測が間に合いません。」

「そうか、冥王星より外側から追跡すれば良いんだね。 いっそのこと太陽系の外から準備したらいいのかな?」


「冥王星軌道以内からの開始が連邦軍からの指示なのです。 太陽系の外からでは作戦開始の承認許可は出ていません。 あくまでも太陽系の中で小惑星の処理をすることが基本原則とされています。」

「冥王星軌道までジェニファーだったら30日ちょっとくらいで到達する距離だよね。」


「いいえ、 地球を出発するのは6ヶ月前です。 ここの日程表に記載があるでしょう。」

サファイアは工程表をスクリーンで拡大した。


「なぜそんなに早く? 6倍以上もかかるのさ。」


「小惑星の測量に数週間かかります。 測量が可能になるためには惑星と等速になる必要が有るので遠くから追跡しますしそのための加速に時間がかかるのです。 ジェニファーの燃料も足りないので増槽を使ったり木星軌道でガウストより高速移動給油も受けます。」

「もっと早く接近できないの?」

「タカ、 あなたの食料や作業用の計測設備も重いのです。 小惑星追跡加速に燃焼推進燃料を保持したまま飛ぶためにジェニファーでも時間がかかるのです。 プラズマエンジンだけなら燃焼燃料は不要ですが加速は1/40以下しか得られません。
カーゴが空なら数週間で加速できますがあなたに数ヶ月の絶食は不可能でしょう。」

「俺の食料ってそんなにあるのか?」


「はい、 測量装備と補助燃料タンク(増槽)を含めて48tほど。 食料はジェニファーに十分積みます。 あなたのお酒も積むから心配ありません。」

「お風呂は?」


「6ヶ月間は我慢してください。 多少は臭いますが死にません・・・どうしても我慢できないならカーゴに行水できるように準備します。 搭載する生活用水は12tまでですから節水してくださいね。 一番重いのはタカの生活用水なのです。」


搭乗メンバーはタカとジェニファー、テラ達の合計4人(4体)である。 舞とサファイア、サードは乗船しないと記載にあった。

「サファイア、 君達は行かないんだ?」


「はい。 本船から160万キロ越えたら私の端末は機能しませんからただの人形になってしまいます。 そしてタカにはトイレが必要になります。 排泄転送チップも機能しません。」

「久しぶりのオシッコとウンチね、すっかり忘れてたよ。 6年半ぶりだからなー。」


「移動用のトイレと浄化設備も搭載します。」


「お料理は私がするの、 だから大丈夫よ。」 ジェニファーは食材リストを見ながら言った。「タカの食事は余裕を見て210日分ね。 野菜は少しならカーゴのプランターで作れるし。」


「君の船内で焼肉なんか焼いたら臭っちゃうかな?」

「そんなもの作れないよ。 シチューとかグラタンとか、あと和食系かな・・・お魚はロースターで焼けるけど焼肉なんか焼いたら煙で私のコンピューターが壊れちゃう・・・焼肉は地球に戻るまで我慢してよ。」


「ああ、作戦が成功して地球が無事に残ってたら思い切り焼肉食べるんだ。」

「でも冷凍ステーキ肉くらいだったら載せておくね。 煙が出ない調理なら大丈夫だから。」


「ねえ、サファイア? どうしてそんなに早く出発するの? だって160万キロ以下じゃないとプラズマ砲のエネルギーをテラに送れないのでしょう?」

 

舞は不思議そうに訪ねる。

「それにテラも可愛そうよ・・・退屈で。」

 

「テラの給電は出来ないので出番が来るまであの子達の必要に応じて電源は切って運びますよ。 その方が静かでいいでしょうし・・・テラに送電するのは途中までと小惑星が地球に接近してからです。 その時には静止軌道上からですから送電は十分可能です。 問題はかなり遠くから追跡しないと間にあわないのです。」


「静止軌道から攻撃開始するのに冥王星からはいくらなんでも遠すぎないかい?」

「小惑星が冥王星軌道に入った距離から出発でも遅すぎます。 まず太陽系外周軌道の14.3億キロから迎える形を採ります。 冥王星軌道上から小惑星の通過を見てから追跡開始になります。
ジェニファーの加速率から計算して小惑星の速度に達するまで14日以上、 追いつくまでさらに22日かかります。」

「そして36日後に追いつくんだ!」


「はい。 地球を出発してから惑星速度に追いつくまでの工程ですでに2ヶ月近くを要します。 そのまま追跡して小惑星に乗り移ります。」

「小惑星に乗るのかい?」


「はい、引力が小さいので普通に歩けません。 表面を測量して惑星の弱所を探します。 テラとガウストへ指示を出すための攻撃ポイント地図を作成するのです。 タカはこの6年間で測量技術は付きましたよね?」

「多分大丈夫だ、多分だけど。」


「かなり暗いですよ。 太陽の光が届きませんから一日中が夜の作業です。」

「睡眠時間は貰えるの?」


「はい、12時間確保しています。 作業時間は24時間中4時間以内ですから残り18時間は食事と休憩時間です。」

「そんなに暇なんだ?」


「4時間でも相当疲れると思いますよ。 多分1時間に1回のプロセスでクタクタになるでしょう。 測量に与えられた時間は35日、延べ作業時間は150時間程度です。 多くの作業はジェニファーに任せなさい。」

「うん。 私、タカと違って睡眠要らないから24時間働けるよ・・・でもタカの食事準備や洗濯しないといけないし・・・。」


「木星軌道に達したら測量結果に基いてガウストから高出力砲で小惑星の弱点位置に穴を開けてもらいます。 多分通過する2時間以内に完了するはずですですが大きな初期の破片はガウストが全部砕いてくれるでしょう。」

「ガウストってそのために6年間も待ってくれているんだ。 暇だったろうな。」

「ガウストには今回のプロジェクトとして最悪のケースをバックアップしてもらうミッションとプレス(報道)関係、予想外の隕石排除など沢山の仕事があったのですよ。皆さんには話していませんが 今まで多くを守ってもらっていたのです。 本来傭兵チームの長期休暇期間やガウスと船内の軍事的増強工事も有ったのですが今回のミッションでも協力を得られる事にもなりました。」


「ジェニファーの事故のときはホントに助かったよ。」

「木星軌道より内側に入ってもそのまま小惑星と一緒に移動します。 惑星の破壊タイミングは月の軌道より内側に入ってから始めます。 同時に地球側でも落下物に対する災害予測プログラムが実行されます。」


「何で火星軌道から月の軌道まで何もしないのさ、 30日近くも遊ぶの?」

「これは予備日です。 約42日程度ありますがその前までの遅れがあった場合に予備日として消化します・・・逆に言えば予備日はそれしかないのです。 失敗したり予想外のことがあって遅れが生じれば・・・惑星が地球に・・・」


「月から内側での作戦だったら4時間くらいしか無いじゃないか。 その間に全部終わらせろと言うのか?」

「落下する破片を大気圏で燃やす時間も必要です。 その余裕を見た場合、正しくは72分です。」


「え! たった1時間ちょっと?・・・7年準備して 6ヶ月前から行動開始して最終工程はたった1時間ちょっとかよ!・・・失敗したら7年間の苦労がパーじゃねーか!」

「はい、その間に終わらせます。 私の計算では所用時間は41分で97%の成功率です 初めて出会っ時にこの話はしましたよね!」


「テラのプラズマ砲出力が大きいのは分かったよ。 細かい破片は? 俺は何をするのさ。 君達みたいに腕に大砲なんか持ってないよ。」

「タカには測量以外に最後のバックアップがあります。」


「最後のバックアップって? 失敗したら爆弾を抱えて小惑星に飛び込めって?」

サファイアは一瞬、下を向き無言でファイルを閉じた。 関係者の前で沈黙が流れる。

 

 

「図星かよ・・・やっぱりなー。」

「いえ・・・そんなことではありませんよ。 タカの生還率は68%・・・今はそこまでしか発表できません。」


「ちょっと待ってよ。 小惑星衝突回避の成功率が97%で俺の助かる可能性が68%? その差は何だよ。」

「タカの最後の仕事はテラの緊急操作です。 作業に若干の危険が伴います・・・それとも今から辞退しますか?」


「バ・・・バカ言え、 死んでもやってやるさ。」



「タカのバックアップはジェニファーが行います。 もし万一タカが作業中に死亡した場合ジェニファーが最終工程をバックアップします。 それ以前にジェニファーの端末がそれまで無事に残れる可能性は1%未満です。」

 

「そうなのよ・・・この体、多分これで終わりだと思うわ・・・端末はまた新品買うからいいけどさあ。」

 


「ふん、いいなー。 ロボットは体が買えるから・・・ジェニファー、俺が死んだら後をよろしくな。」


「タカ、そんな風に言わないでよ。 私だって厳しい状態なの。」

ジェニファーは少し微笑みながら資料を閉じた。

「とにかく頑張ろうよ・・・今はそれしかないし。」


「サファイア、 君達は何処にいるんだ?」


「地上班として落下軌道の真下で待ち受けます。 サードと私、私の本船は自分のプラズマ砲で残りの破片を砕きます。 私の端末とサードが無事に戻れる可能性は46%以下です。」


「まだ俺のほうが助かる可能性が多いんだ。」

「はい、 私の本船からプラズマ砲で砕きます。 一番小さな破片は4m以下になるはずですし10mを越える大きな破片の位置データはジェニファーから常時送ってもらいます。」


「一番大きな質問があるんだけど答えてくれるかな?」

「いいですよ、 質問は何でしょうか?」


「直径82kの穴の開いたドーナツ状の小惑星を最初にどうやって砕くのさ。」


「当日説明します・・・申し訳ありませんが今は説明できません。」

「秘密?・・・どうして秘密ばっかりなんだよ。 なぜここで説明しない?・・・俺って信用されていないのか?」

「秘密なのではありません。 今話さないことも重要なプロセスの一つです。」


「へえ、やさしいですねえ。 ありがと!」

タカはファイルを机に投げつけて指令室から出て行った。


「ごめんなさい・・・サファイア、最近タカは少し機嫌が悪いから。」

舞はタカのファイルを机に戻しながら謝る。「少し怒りっぽいの。」

「良いのです。 なぜ二人の地球人側のエージェントで十分なのか当然ですね。 破壊作業そのものは基本的に私達が行うのです。 でもタカは非常時の切り札として必要なのです。 危険に接する要員は一人いれば十分ですから。」


「タカは・・・やっぱり・・・死ぬの?」

舞は下を向きながら悲しそうに呟いた。


「舞。 今、彼への安全に対する約束は出来ません。 あなたの好きな人を危機に直面させることについて今は申し訳なく考えています。」

「私も一緒じゃだめなの?・・・お風呂我慢するから。」


「無理です。 ジェニファーへの搭載貨物はタカの食料と水、呼吸補助薬品でいっぱいですから二倍は積めません。・・・舞には別の大きな仕事が待っています。」

「地球でする仕事?」


「はい、ジェニファーが小惑星に向かうまでのあと2年、契約している動物商から私のコロニーに輸送する仕事です。 出発するまではタカにも少しは手伝ってもらいますが。」

「国連に承認してもらった検疫済みの動物とか植物なんかコロニーに移す仕事だったよね。」


「あと2年、1年と10ヶ月間は忙しいですよ。」

「うん、分かった・・・でも危険が多いタカが少しかわいそう。」

 


「・・・それでは本日は解散します。」



タカは自室のベッドに寝転がっていた。
「なんだかなー。」

そこにテラたちが入ってくる。 部屋は一気に騒々しくなった。


「お前達、来年以降だけど当分一緒に宇宙旅行だぜ。」

「うん、知ってる。 もうすぐシュビアでしょ?」

「何だ?・・・シュビアって? ドイツ語かい?」


「連邦語で隕石の事だよねー。」「うん、そうだよ。」

二人のテラは見合って笑う。

「誰がそんな名前をつけたんだ。 アメリカ航空宇宙局は惑星番号で言ってるよ。 6桁、いや何桁だったかな。 接近小惑星コード番号。」 

 

「シュビアって言うんだよ。 隕石は私達にとって全部シュビアだもん。」 「そうよねー。」

「全部?・・・同じ名前かい?」


「隕石は私達のシュビアだもんね。」

「?」



部屋から出たタカはジェニファーにぶつかりそうになる。

「あ、ごめん・・・さっきはご機嫌悪かったね。 機嫌直しにお昼にカツどん作ろうか?」


「いいよ。 最近少し太ったんだ。 地球を出発前にすこし痩せなきゃ・・・なあジェニファー、シュビアって何さ。」

一瞬ジェニファーはタカの顔を見て立ち止まる。 そして目をそらせた。


「・・・なんでそんな事を聞くの? 何処で聞いたの?」

ジェニファーの声は低くなる。「大したことじゃ無いよ。」

「聞きなれない言葉だから・・・テラたちが最近言うんだ。」

「多分漫画で見たんでしょ・・・今夜はトンカツ揚げるから少し待ってて。」

「なんだ、つまらない。 そんな事か。」 タカは道場に向かった。

「おーいサード、手合わせ一本付き合ってくれ!」


通路の向こう側からくるサードは片手を上げて了解した。



<サファイア、サード、聞こえていますか?>


<何でしょう。> <はい。>

<テラがシュビアの言葉をタカに話したみたいです。 皆から本当の意味を伝えないようにお願いします。>


<了解しました。 当面気をつけます・・・サードも気をつけなさい。>
<分かりました。 もし後から気付いてまた怒り出しませんかね? サファイアに当たらなければ良いのですが。>

<そのときはその時でしょう、怒らせておきなさい。 多分その様な余裕はその時期に無いときでしょうから。>

サファイアはあまり気にしてはいなかった。


夏からジェニファーの便が空いているときには鳥類、小動物から淡水魚まで順次サファイアのコロニーに移す作業も並列して行われるようになった。


中型以上の哺乳類は低温冬眠させてからコンテナで輸送する形が取られる。 その中にはシマウマや鹿なども含まれていた。

****************


出発に向けられた準備と訓練 各国家間に対する指導書の配布は国連を通じて資料が世界中に広がった。

準備は無事に進められていよいよ出発の朝が近づいてきた。



出発前夜 タカが出発前日最終ミーティングを終えてベッドに入るとき舞が部屋をノックする。

「タカ・・・今いい?」

「え・・・いいけど。」

タカは慌てて酒瓶を隠す。 相当に飲酒量が増えていた。

「今夜、朝までここに居ていい?」


「う・・・うん。 いいよ。」
舞はパジャマ姿で部屋に入ってきた。 タカのベッドに座ると無言の時間が流れる。


「地球に残るの、私だけだよね。」


「留守番頼むよ、それも重要な仕事だし。 サファイアとサードも半年間は本船だし。皆が揃うときはお祝いの日だな。」

「必ず生きて帰って来て。 絶対だよ・・・約束して。」

「ああ、約束するさ。 ねえ・・・舞。」

「なあに。」

「生きて戻れたら舞と・・・結婚したい・・・だめ?」

「うん・・・いいよ。 だから絶対戻ってきて・・・」


「じゃあ・・・OKなんだね。」

「うん。 私、タカと結婚する。」


「・・・ありがとう。 舞の両親に直接話しておきたかった。」

「タカが留守の間に伝えておくよ・・・式が済むまでサファイア達には居て欲しいね。」

「そうだな。 サファイアは連邦に帰って解体処分だったけど、しばらく地球に居て欲しい。 式にサファイアとかみんなが居てくれれば楽しいね。」

「うん。 テラたちもだね。」


「ガキどもかあ・・・式場で騒ぐんだろうなあ。」

「ねえ、そう言えばテラってサファイアと一緒に帰っちゃうのかな。」


「何で?」

「あれ、欲しいな。 かわいいし。 最近童謡をかなり覚えたのよ。 テレビ見て歌ってた。」


「少し騒がしくないか? 二人も居たら・・・俺、サードも残って欲しいなあ。 みんな居なくなるみたいで寂しいや。」

「ジェニファーはタカのものだから残るでしょ。」


「多分、俺の宇宙船だよね。 それで何か商売とか事業始めたいな。」

「燃料買えるの? リアクターの反陽子動力だけじゃ大気中で加速できないよ。」


「うん、何とか方法を考えてみる。 そして頑張ってジェニファーで宇宙開発とかしたい。・・・出来ればサファイアもずっと居て欲しいけど。」


「・・・みんな夢だよね。」
舞は窓から見える夜景をじっと見つめる。 遠くに飛行機の窓からこぼれる光が見えた。

「夢?」

「うん・・・タカが無事に帰ってきて、 地球に小惑星がぶつからなくて・・・皆が無事で・・・全員揃ったままいつまでも居たいの。」

「そうだな、 誰も欠けないでいつまでも一緒に居られたら・・・。」
舞はタカの胸に顔を押し付けて静かに泣いた。 タカは舞の髪を撫で続ける。 時間はそのまま流れて出発の朝を迎えた。



ビル警備チームと舞をセンタービルに残し、10:10に屋上から舞が出発を見守り、小惑星追跡チームは旅立つ用意が整った。


出発数時間前に国家担当者と報道のインタビューを受けたがビルの下には反対派の野次や罵声が続いていた。



「タカ・・・行ってらっしゃい。」

「うん・・・行ってきます。」

舞はジェニファーのエアロックでタカと抱き合う。 ジェニファーは舞の肩を軽く叩き、やさしく言った。
「大切な彼をしばらくお預かりするわね。 心配しないで・・・彼を一生懸命守るから。」


「はい・・・タカをよろしくお願いします。 でもタカがわがまま言ったらひっぱたいていいからね!」

舞は涙を流しながら明るく笑った。

 

 

「タカ! ジェニファーと浮気しちゃだめだよ!」


「バカ言え、宇宙船と浮気なんか出来るか!・・・それより留守番頼んだぞ!」

「お風呂沸かして待ってるからね!」

舞が手を振るとエアロックは閉じてゆく。 舞は屋上ののポートで安全な位置まで後ろに下がった。


「6体、全員搭乗しました。 地球日本時間10:16出発します。 エアロック閉鎖。 メインブースター加圧完了しました、 上昇完了後にメインエンジンスラスター点火します! 一次目標はサファイア本船 搭載物資の補充と増槽の取り付け、カタパルト射出の装備を行うために出発します!」

 

ジェニファーはいつもより大きな声で応えた。


反対派デモの大声と罵声の中、ジェニファーは飛び立って行く。 舞はジェニファーが見えなくなってもいつまでも手を振っていた。 この日小惑星破壊計画は実行に移る日となる。