一月二日から四日まで、二日を新年旅行に行った。去年は、旅行代理店に頼んだ結果、ネットに掲載されている写真とは、中身が異なっていた旅館に当たってしまいガッカリしたので、今年は、是非僕に選ばせてくれと祖父母にお願いし、僕が選ぶことになった。

 

そこは、僕が尊敬する起業家、街づくりをしている人が作ったホテル。2軒あって、一つにしか泊まれないが、両方のお店がとても魅力的だったので、ホテルの夜ご飯をはしご、ディナーを2回食べるというチャレンジをすることに決めた。

 

滞在しているホテルで、フレンチディナーを食しMinatoyaさんに向かった。

 

 

薪野菜と焦がしレモンソース

多様性の良さってこういうことだなぁと食べながら思う品だった。にんじん、えりんぎ、菜の花、ナスと色々な野菜は、それぞれの特徴を持っているのだが、焦がしレモンソースのお陰もあって、見事にお互いが邪魔をしていない。例えば、人参を最初にパクッと食べて、モグモグしている時にエリンギもパクッと口に入れると、人参の甘味にキノコの香りとエリンギの繊維の食感が加わる、そして、そこに焦がしレモンソースの酸味と芳ばしい香りが二つの野菜達の繋がりを強固にしているから、味が深まる。しっかりと噛んで、飲み込む時には、素材達が融合した素晴らしい汁が出来上がって、喉を駆け抜ける。大草原に横たわったような爽やかさと自然の香りを体験させてくれる料理だ。

 

 

タコの麻婆豆腐 

二品目に、選んだのは、タコの麻婆豆腐。メニューを見た時に、はっ「これだ」と思った。コースを食したあとなのに、白飯もつられて頼んでしまった笑。甘味が控えめなソースは、滋味深い。タコのぷちぷちとした食感と豆腐のどくどくな組み合わも面白い。このお料理も今のMinatoyaさん、鬼崎シェフのお料理さんの真髄を表している代表的なお皿だと思う。

 

 

カウンターに座り、鬼崎シェフの料理をしている姿を眺める。初めてみるようなキッチン、素材たちを見ていると自然とワクワク感が湧き上がる。あれはどんな味で、どんな食感なんだろう、と勝手に想像が始まる。それらから、今日は、あともっと食べれるかな?明日は何を頼もうかなと考える。

 

 

お店の内装もとってもカッコ良い、木がふんだんに使われているから暖かい雰囲気が漂っているのだが、そこに明るいライトがあることで、エネルギッシュな雰囲気も加わっていて、店内は活気に包まれている。

 

超高級中華で腕を振るってきた鬼崎シェフが、瀬戸田に移住し作る料理は、地元の生産者さんと頻繁に会ってコミュニケーションを取り、休日には食材探しの旅に出るという地道でサステイナブルな方法で作られている。醍醐味はなんといっても味がダイレクトなこと、沢山要素がまじって美味しいけど、、で終わらない食べるとまず旨味を感じる部分を刺激し、噛み締めると徐々に素材の味が出てくる、深い!

 

「それでは、また明日きます。」と言葉を残して、帰路についた。

 

おわりに : 

Azumiにて瀬戸田フレンチのコースをいただいている最中から、「本当に心と胃袋を満たしてくれる料理とはどのようなものだろうか?」と考えていた。なぜなら、Azumiのご飯は、別に美味しくないわけではないのだが、食べてもダイレクトに美味しいという感情が湧き上がってこないのだ。理由としては、恐らく、色々な材料を使いすぎて、人間の味覚が対応・認識精一杯になって、根っこから美味しさを楽しめてないからだろう。そんな事を考えながら、鬼崎さんの料理をいただいた。鬼崎さんと会話が弾むと、「料理人の方は、何をきっかけに料理がシンプルになっていくのだろうか?」「飾り付けは綺麗だけど、食べた後一番大事な部分が暖められなかった」と言うと、「そうなんだよね」と答えた。「俺も昔は、そういう花とか色々な飾りに憧れていた時期があったけれど、段々と変化していった。」そんな鬼崎さんが今作っている料理の魅力を最大限にこのブログで表現し、「本質的に心を暖める料理はどういうものなのか」自分なりに答えを見つけられればと思い執筆している。