思いもよらず、これから長くご縁が続くであろう焼そば店との出会いが京都であった。これから先何十年、京都に来るたびに戻ってきたいそんなお店だ。
7月中旬、京都新幹線のぞみで、世界を代表する浜田 岳文氏の食べログサイトをひたすら読み漁っている青年がいた。
そう僕だ。。。。
道中、旅行初日の計画さえ決まっていないことに気づいた僕は急いで行きたいお店リストの作成に焦りながら取り掛かった。
あたふたの中、目に留まったのが「おやじさん」、京都の宮川町にある、おばあちゃんと娘さんが営む創業50年以上の焼きそば専門店だ。あの浜田氏が京都のソウルフードと述べていたのが印象的に残った店だ。
一日目に立ち寄った時に食べた焼きそばが美味しすぎて、二日連続で訪れた。
二日目の朝、起きるのが遅かったので朝飯を抜いて清水寺へ。。。炎天下の中レンタルした自転車で坂を登り、歩いたりと、体はクタクタで、お腹もグーっと叫んでいる。
京都観光をの代表する清水寺を散策していたものの、僕の頭は昨日食べた焼きそばでいっぱいだった。そんなわけで、開店時間15分前になったと同時に観光を切り上げ、お店へ直行した。
暖簾をくぐってお店に入ると、「あら今日も来たの?今日は一番のオススメを作ってあげる。あと他のお客さんもいないから写真とっていいわよ。」そう、実はこのお店撮影厳禁で、昨日写真撮影を断られた僕はしょぼんでいたのだった。
食後、お店を後にし、祇園に向かい歩いている最中、「確かになぜ僕は食事の写真を撮り、ブログに感想を綴るのだろうか?」という疑問がふと浮かびあがった。
考えに考え、出てきた結論は、「人生に一回きりしかない一食を記録に残すため」だった。
一年365日が何十年も続く人生で、一食が一回きりしかないってどういう意味?と困惑した読者もいるだろう。
しかし、時間というのは常に進み続けていて、一分経てば人生は変化していく。すなわち、全くもって同じ一食など存在しないのではないか。例えば、いつもの朝食でも、「あぁ、今日は寝不足だなぁ、学校に行きたくない」と頭を悩ませながら食べる日もあれば、「今日は体育でサッカーがある日だ」とこれから始まる1日にワクワクした心情でにご飯を食べた時では、体験が大きく異なる。
だからこそ、僕は「おやじさん」や、素敵なお店で過ごす特別な一食の体験を記録したいと思っているのだ。自分の心に留まった時間と光景を思い出せるように。
「人生初めて一人旅で最初に訪れたおやじの焼きそばに出会った時はとにかく驚きの連続だったなぁ」
「新婚旅行で京都に訪れた時食べたおやじさんの焼きそばは一生忘れないだろうなぁ」
こんな理想通りにはいかないと思うけれど、これから先の人生、良い意味でも悪い意味でも変化していく僕と、そんな僕をいつも変わらず、優しく迎えてくれる「おやじさん」の物語を描いていきたい。そんな思いを馳せながら、今ブログを綴っている。
脱線に脱線をしてしまいましたので、そろそろ二日目の「おやじさん」に戻るとしましょう。
入店し5分、早速でてきたのは、2種類の焼きそば。女将さんのおすすめで、塩焼きそばとソース焼きそば、完成すると目の前に鉄板に移動してくれる。煙が顔の前を漂う。やばい早く食べたい。。。
満腹で思い体を持ち上げて、
お会計をしていると、娘さんが
「にいちゃん、にいちゃん、今度軽井沢の美味しいパンもってきや、お金は払うから」
「もちろんです。こんなに良くしてもらっていただいてありがとうございます。今度持ってきますね!」
お釣りを受け取ると。。
「ありがとう (京都弁) 、ほなおおきに」
漫画で見ていたようなセリフを受け取りお店をあとにする。。
ふぅうぅ、、、お腹が苦しい。二玉を頼んだのと、空腹のせいで勢いよくほとんど噛まずに食べたので、個体がお腹に溜まっている笑
にしても最高に美味かった、人生一の焼きそばだろう。キャベツ、イカ、麺、この主な三つの素材が綺麗に一体化していて、素晴らしいお料理が完成している。
正に「Simple Is The Best」という言葉を象徴する一品。
現在は女将さんが高齢になったこともありランチ営業のみだが、夜営業をやっていたら、絶対に深夜の散歩の合間に立ち寄うだろう。アットホームで素敵なお店。
それではまた。。。