ぐるりのこと。 | シネマド館

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世界の映画を見ていると世界を旅しているように感じる・・・というブログではなく単なる「映画」と「おでかけ・旅行」をメインにしたブログです。とは言いながらも結構他のことも書いてます・・。

バカって言うな、バカって・・・



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ぐるりのこと。

(2008年/日本/140分)


監督:橋口亮輔



【ストーリー】

1993年、何事にもきちょうめんな妻の翔子(木村多江)と法廷画家の夫カナオ(リリー・フランキー)は、子どもを授かった幸せをかみしめていた。どこにでもいるような幸せな夫婦だったが、あるとき子どもを亡くしてしまい、その悲しみから翔子は心を病んでしまう。そんな翔子をカナオは温かく支え続け、2人の生活は少しずつ平穏を取り戻してゆく。



【かんそう】


めんどうくさいけど、いとおしい。

いろいろあるけど、一緒にいたい。


このキャッチ通りの映画だった。


ある夫婦が歩いてきた10年をゆっくりと丁寧に描いてる。

地味ぃな映画ではあるが、だからと言って眠たくなるような映画ではない。




相手の心が崩壊したら私はカナオみたいに温かく根気強くずーっと一緒にいれるだろうか。

人一人を受け入れるってやはり簡単なことじゃないよなぁ・・と思う。


映画の最初の方でも翔子のきっちり主義の性格は語られているのだが、まさかこういう伏線だったとは思わなかった。


ちゃんとしようと思うのにちゃんとできない・・・


翔子の責任感の強い性格から子供を失ったことをきっかけにどんどん心が壊れていく。

仕事でもプライベートでも「ちゃんとしなきゃ・・」と思ってしまう翔子。

カナオがあんな風だから余計にそう思うのかもしれない。




ついに翔子が爆発し、カナオにぶつかって行った時ににカナオが翔子に言うセリフ


『考えてばっかりで・・


みんなに嫌われてもいいじゃん。


好きな人にたくさん好きになってもらった方がそっちのがいいよ・・・』



はい、泣くーシネマド館-哀

号泣ーシネマド館-哀





ほんとその通り・・・


みんながみんな自分の事好きになってくれるなんてことありえない。

だって自分だって、みんなの事大好き!ってわけじゃないやん。

そうでありたいけれども現実的にはどうしても苦手な人とかいるやん?


なのにみんなに嫌われたくないばかりに気を使いぃの、顔色をうかがいぃの・・そういう人、多いのではないでしょうか。(なんか日本人に多そうだが)

ほんとそんなことばかりでは疲れてしまう。


そしてカナオは翔子に言うのだ。


「ちゃんとできなくていいから・・・一緒にいてほしい・・」



シネマド館-哀 シネマド館-哀 シネマド館-哀 ぐぉーーーーー!!!



一見穏やかに見える夫婦でもいろんなものを抱えている。

この二人もそう。乗り越えてるようで、実は「心のすれ違い」を何度も重ねてきている。

カナオだってこのセリフを言った時、ただただ翔子が好きで単純に一緒にいたいと思っていた頃に言っていたであろう「一緒にいたい」とは明らかに重みが違うはずだ。


二人にとって大きな山場の一つとなるこの事件をきっかけに二人の関係・・・というより翔子の心に光が差してくる。



ここからの翔子の笑顔や表情がまた素敵。

カナオは相変わらずカナオだけど。

でも・・こういう人いるよね・・・いろいろ考えてるんだろうけど、何も考えてなさそうに見えちゃう人☆



後半は前より良い感じの二人だなぁ・・・と見ていてわかるし、素敵な夫婦だなぁ、とうらやましい感じさえする。

それは二人が一つの大きな山を乗り越えたからだよね。

お互いを信頼し合ってるのがとてもよくわかる。


二人で天井画を仰向けに寝転がりながら見てるシーンがあるのですが、翔子のワンピースと天井画の鮮やかさ、二人の間に流れる穏やかな空気、なーんか見ているこちらもほっこり。

私もそちらで一緒に寝転がってよかですか?!てな気分だったわ。





そういえば、この映画に出てくる翔子とカナオの会話がとてもリアルでさ、ちょっと横にいるカップルの話を盗み聞きしてる、みたいな感覚なのよ。

多分、木村多江さんやリリーさんの雰囲気が身近な存在に感じさせているのかもしれないが。


この映画は「ザ・主役!」という俳優さんや女優さんより、こちらのようなお二人の方がリアリティがあって良いかもね。


俳優さんと言うと・・・カナオが法廷画家という設定なのでいろんな裁判が出てくるのですが、幼女殺人事件の犯人役として登場した加瀬亮!!!!!

もう・・・ひきこまれたわ。

役柄にはどんびきやねんけど、演技には引き込まれぇの・・・てややこしいが。

とにかくやっぱり彼はすごいな。

彼のすごさを知ったのが私は最近なのだが、なぜもっと早くに知らなかったのだろう・・・と後悔したくらいに、今は私の中で素晴らしい俳優さんの中の一人です。




あと、どうでもいいことなんですけどね。

この記事の一番上に載せている金屏風の前で撮っているカナオと翔子の写真。

映画を観る前はなんとも思わなかったけれど、観終わったあと、大好きな1枚となりました。



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