パーマネント野ばら
(2010年/日本/100分)
監督:吉田大八
【ストーリー】
娘を連れて出戻ったなおこ(菅野美穂)と、その母まさこ(夏木マリ)が営む町に一つの美容室「パーマネント野ばら」。町の女性たちは日々店に集ってはおしゃべりに興じ、恋にまつわるさまざまな悩みや人には言えない小さなうそを告白していた。一方、なおこは高校時代の恩師カシマ(江口洋介)と恋をしていたが、その恋にもある秘密が隠されていた……。(シネマトゥデイさんより)
【かんそう】
江口洋介が観たくてみにいったような映画。
今まで西原さんの原作や映画も観たことないし、菅野美穂が好きだから・・・なんて思って何かを見たこともない。
今回はただただ江口洋介が観たかった・・・これに尽きるわ。
でも、観に行って大正解。
だってやっぱり江口洋介がかっこよかったから
まぁ、それもそうなのだが、こう、結婚して恋のときめきズッキュンを忘れている人にとってあの乙女のような恋愛シーンはいけません。
菅野美穂演じるなおこと江口洋介演じる高校教師カシマとの恋愛シーンはそれはそれはキラキラしたもので、女の子のせつなさもがっつり伝わってくるわけで・・・
おそらく、周りの女性陣があまりにもパンチ強すぎて(パンチパーマかけてるしさ)、彼女たちの恋愛もそれはそれは壮絶で体張って命はって恋愛しているような女性ばかりでさ、そんな中でなおこの恋愛がさらっと描かれているから、それはそれはもう、ピュアな恋愛そのものに見えてくる。
でも、小池栄子演じるみっちゃんが言うのよ。
恋は女性を美しくさせ、たくましくさせる。
みっちゃんやともちゃん(池脇千鶴)のなんと男運の悪いことか・・・
周りのパンチパーマガンガンのおばちゃんたちだってそう。
漁村にそない恋愛・・しかも男運の悪くなるような恋愛がごろごろ転がっているようには思えないのだが、みーんな男運悪い。
それでも彼女たちが輝いて見えるのはいつだって顔をあげて前を見て歩いているから。
恋が彼女たちを強くさせてくれたんじゃないか?
そう思わせてくれる彼女たちの生きざま。
妙に女性同士のチームワークもええし・・・
でも私はやっぱりなおこのようなピュアな胸ドキな恋愛がええけどな。
あぁ・・・予告編にもあるけれど・・・江口洋介のようなかっこよろしい殿方に道端で話していて急にチュッとかされたらさぁ・・・・
めろめろにならへん??
ならへん方がおかしくない???
でも、この二人お互いがすごく好きなように感じるのに、どうも不自然な事が多いんだよね。
一方で漁村の女たちが繰り広げる悲しくもおかしい壮絶な恋物語
そのもう一方でなおこが繰り広げるピュアなきらきら恋愛・・・
結局はゆるーい恋愛映画なんだなぁ・・・映画にするまでの話でもないかなぁ・・・と思いながら観ていたのですが、やっぱり映画やったわ。
よくできてる。
なおことカシマの不自然な事も納得。よかったわ。
周りのキャスティングも素晴らしかったわ。
私が特にはまったのが小池栄子。
彼女の事は特に好きでもなかったのだが、以前、彼女が「中国語が好き」と話しているのを聞いてから妙に親近感・・・・
それを差し引いても、今回の体当たり演技はすっごいよかった。
夏木マリさんだって、池脇千鶴だって、それはそれは個性満載でほんとに素敵だった。
そのような人々の中だからこそ、普通の抑えた演技をしていた菅野美穂の輝きが増していたのだと思う。
あと、江口洋介のかっこよさ・・・でへへ。
結局、それかぁぁぃ!!なんだけどね。
個人的にツボだったのが、なおこ、みっちゃん、ともこの幼少時代が何度か出てくるのだが、小さいころも大きくなっても3人のキャラや役割が同じですごい笑った。
そして、なおこが母と新しいお父さんと引っ越す、というシーン。
あの新しいお父さん役の人が「プロゴルファー花」に出てきたラクラク金融の人で、これまた笑った。
このラクラク金融、二人いるんだけど、二人のかけあい大好きだったので・・・
そしてそしてみっちゃん(小池栄子)のお父さん!!
めっちゃめちゃやわ。爆笑。
でも彼の言う「泣いたらあかん!!泣いたら金が逃げて行きよる!!」には妙に納得。
安易に泣いたらあかんな!
内容的にあまりわからず観に行ったので、映画そのものへの期待度ってそんなに高くなかったんだけど、単なる恋愛映画ではなく、とても丁寧につくられている、せつなぁぁい、良い映画だったな。
うりぼう4つ: