
有賀リエ / Rie Aruga@aru_rie
『工場夜景』の単行本は6月発売予定です。1話目のカラーが気に入っているので表紙にしようか悩みましたが、やっぱり描き下ろすことにしました。作品についてお話する場もいただけそうなので、また色々お知らせしたいと思います。#工場夜景 #モーニング
2022年04月14日 21:48
企業城下町に暮らす中学から知り合いの高三の高臣と碧。中学では同じ英語塾に通っていた。高臣の家はシングルマザー。家庭の事情で塾を辞めざるをえなくなったが、彼は自力英検1級に合格する。そんな碧は努力家の高臣に憧れている。碧に対して高臣も好意を持っている。
夏休み最後の日、二人で工場夜景を見に行く約束をしたが、碧の父がその日警察に逮捕される。被害者は高臣の母。この日を境に二人は被害者の子ども、加害者の子どもとして別れてしまう。
世間をはばかって碧の家族は町から姿を消す。
8年後、大人になった高臣の会社に碧が派遣されてくる・・・
今号の週刊モーニングで連載終了。内容が暗いはなしで、あまり人気がなかったのか、早々の連載終了だったが、切ないはなしで続きで気になって読んでいた。最終回の続きを読みたい漫画だった。彼らが歩む道は決して平坦ではないだろう。
加害者の家族は「hidden victim (隠れた犠牲)」というそうだ。
先日亡くなった直木賞作家の西村賢太も同じ境遇だった。彼も進学を諦め、中学から働きに出た。(彼自身も怠惰な生活を送っており、彼も逮捕歴もある。)
家族には何の罪もないのに、偏見で見てしまう。近所の人で逮捕されて新聞に出た人がいた。逮捕された本人はもう亡くなったが何十年も前のはなしなのに話題にたまに出ることがある。
偏見で見てしまうのはやはりいけないことだが、そのためには犯罪に手を染めない。「縄つきを出さない」という家庭での教育を行うというありきたりの考えしか浮かばない。

